フラット35のタイプAとタイプBはどちらが有利か?

フラット35には返済のタイプでタイプAとタイプBの2種類を扱っている金融機関があります。これはどちらが有利なのでしょうか。例えば、次の表はりそな銀行のウェブページに掲載されている表です(クリックで拡大)。
flat35AB.jpg
http://www.resona-gr.co.jp/resonabank/kojin/service/kariru/jutaku/flat35/index.html
とりあえず、インターネットプランの条件で比較してみます。

比較する条件
いずれも期間は35年で、1,000万円借りると仮定します。
タイプA
金利 2.79%
融資手数料 30,000円
タイプB
金利 2.57%
融資手数料 借入金額の1.8%(この場合、18万円)

すると、返済額および手数料は以下のようになります。

タイプA
ローン返済額: 15,675,519円(うち金利分:5,675,519円)
手数料: 30,000円
合計: 15,705,519円
タイプB
ローン返済額: 15,172,841円(うち金利分:5,172,841円)
手数料: 180,000円
合計: 15,352,841円

単純に合計で見ると、タイプAの方が35万円ほど多いので、タイプBの方が有利であるということになります。しかし、当初の支払額が15万円ほど異なるので、この15万円を例えば5%で運用できたとすると、
15万円×(1 + 0.05)^35 = 82.7万円
さらに、これを現在価値に戻すと、35年金利が2.4%だとすると、
82.7万円 / (1 + 0.024)^35 = 36.1万円
となりますね。
ところで、上記で計算しているローンの返済総額は、実際には支払のタイミングが月毎なので、上記の支払総額は現在価値でも将来価値でもありません。がーん、やな雰囲気。
ということで、毎月の返済額を一定とおき、35年金利を2.4%と仮定(期間構造は考えません)して現在価値をざっくり計算してみると、

タイプA : 10,628,089円 (=10,598,089円+30,000円(手数料は現在価値))
タイプB : 10,438,415円 (=10,258,415円+180,000円(手数料は現在価値))

といった感じになり、その差約19万円となります。運用益(上の例では21.1万円(=36.1万円 – 15万円))がこの差19万円を上回るのであれば、タイプAを選んで自分で運用した方が有利になり、運用益が上回る自信がないのであればおとなしくタイプBを選んだ方がよい、という結果になるかと思います。
実際には、繰り上げ返済(プリペイメント)の可能性もあるので、話はさらにやっかいになります。まじめに考えるとややこしいですね。
微妙なところでプライシングされているんですねぇ、、、
(ちなみに、上記の例では借入額を1000万円として計算していますが、4000万円を借りた場合は借入額に比例する部分は単純に4倍、タイプAの手数料は借入額に依存しませんからそのまま3万円として計算する必要があります。)

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