なぜ賃貸生活をやめ、マイホームを買うことにしたのか

昨年の今頃はマンションを前提に、住宅を買うべきか、賃貸でそのままいくべきか、なんてことを悩んでいました。ところが、今となっては住宅を購入、しかも、一戸建て、という結論に至っています。
なぜ考え方がこのように変わったのか、ちょっと整理しておきたいと思います。決して単純な話ではありませんが、大きな違いを簡単にまとめておきたいと思います。
賃貸か、購入か?
これに対しては、家賃を誰に対して払うのか?、現在の税制、そしてカスタマイズの自由度などが挙げられるかと思います。
まず「家賃を誰に対して払うのか」という視点ですが、賃貸住宅の場合は、大家さんに払います。自宅を購入した場合は、大家さんである自分に対して払います。払う人は同じく自分であっても、受け取る人が他人か、自分か、簡単に言うとその違いがあるかと思います。
このあたりの考え方は、ぼくがいつもお世話になっているシーエフネッツの倉橋社長が以下の本で書かれています。
不動産投資、成功の方程式 (朝日新書)
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住宅ローンを借りることで、銀行に対して金利という費用も払いますが、金利は史上最低の低金利状態です。長期的にはあがる可能性もあるかもしれませんが、今、借りることのデメリットは市場実勢という観点からは少ないのではないでしょうか。
次に、税制などの仕組みですが、現在は持ち家を支援する仕組みがたくさんあります。

平成21年度税制改正

  • 住宅ローン減税の拡充・延長
  • 長期優良住宅に係る税額控除制度の創設
  • 住宅リフォームに係る税額控除制度の創設
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等の長期譲渡所得の1,000万円特別控除制度の創設
  • 平成21年及び平成22年に土地等の先行取得をした場合の課税の特例の創設
  • 土地の売買等に係る登録免許税の軽減税率の据置き等

この中では、住宅ローン減税、4番目の長期譲渡所得の1000万円特別控除制度、そして7番目の登録免許税の軽減税率据置きあたりが重要になってくるかと思います(長期優良住宅の認定を受けられるのであればもちろんこれもです)。
さらに平成22年度税制改正では、以下のようなものも導入されました。

平成22年度税制改正の要綱
住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置について、所得制限(2,000万円)を付した上で、非課税限度額(現行500万円)を、平成22年は1,500万円、平成23年は1,000万円に引き上げる。

また、フラット35の金利1%引き下げや、住宅版エコポイントも導入されています。

フラット35金利1%引き下げ/住宅エコポイントの創設も/経済対策を閣議決定( 2009年12月08日 )
 政府は8日の閣議で「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を決めた。国費7・2兆円を投入し、事業費では24・4兆円の規模となる。関連経費は、09年度第2次補正予算案として15日にも閣議決定する。
 住宅関連では、住宅エコポイント制度の創設に1000億円、住宅金融支援機構フラット35の優良住宅融資の金利引下げに4000億円、木造住宅の振興に11億円を充てる。住宅取得資金の贈与税非課税枠(現行500万円)の2000万円への拡大についても「財務省との最終調整はついていない」(前原誠司国交相)が、実施したい考え。
 フラット35の金利引下げは、省エネ住宅やバリアフリー住宅などを対象に金利優遇するフラット35Sの金利優遇幅を現行の0.3%から1.0%に拡充するもの。優遇期間は10年間(長期優良住宅は20年間)。12月現在のフラット35金利は2.85%前後であるため、1%台後半で長期固定融資が利用できるようになる。

http://www.shukan-jutaku.com/np/news_article.php?article_id=33304
住宅版エコポイント制度の概要について
これらの制度のすべてを利用することができる人はあまりいないかもしれません(ぼくも利用できるのは一部です)が、一部でも利用できればそれなりの経済的なメリットを享受できるのではないかと思います。
例えば、住宅ローンを優遇後の実質金利で、1%程度で借りることができたら、住宅ローン減税と合わせると、実質的には金利負担なしで借りていることと同じになります。このように金利負担が低い間はあえてローンを残しておき、10年後にそれまで貯めておいた分を一気に繰り上げ返済するようにすれば、金利負担をできるだけ抑えた形でローンを組むことができるのが現在だと思います。
最後に、購入すると自分の好きなようにカスタマイズできることが挙げられます。マンションか、一戸建てかでも自由度は異なりますが、間取りを自由に決めることができ、さらにキッチン、バス、洗面化粧台といった水まわりや収納なども好きなように決めることができます。さらに床材、照明、窓といったところや、外壁、玄関、外構といったエクステリアなども、自分の気に入ったように決めることができます。またちょっとした難点としては、あまりに自由度がありすぎて決めるのが面倒だったり、局所的には気に入っても全体のコーディネートがうまくいくかといった点があります。
マンションか、一戸建てか?
では、買うとなった場合に、マンションを買うか、一戸建てを買うか、という点ですが、自分のコントロール、資産価値、そしてランニングコストという観点から考えると一戸建ての方がよいのではないか、という結論になりました。
自分のコントロールというのは、自分の意志でいろいろなことができるか、ということです。マンションの場合、管理組合で意志決定がされますが、一戸建ての場合は修繕は自分だけの意志で決めることが出来ます(リフォームはどちらの場合も基本的にできます)。管理組合なら他の人もいることだし、楽だという考え方もあるかもしれませんが、全員がそのような考え方だったら、みんな他人任せになってしまい、管理組合が十分機能しない可能性もあります。そして、管理組合がどのような管理組合かは実際に参加してみるまでなかなか難しい気がします(マンションは管理を買え、とよく言われるのはまさにこの部分です)。
また、資産価値という意味では一戸建ての場合、土地は土地として残ります。建物は20年、30年と経てば古くなりますが、土地は相場次第ですが、経年から来る減価はないでしょう。こればかりは実際の場所や市場実勢に依存するので一概には言えませんが、土地の割合が比較的高い一戸建ての方がマンションよりも資産価値の低下は防ぎやすいのではないかという気がします。また、買うにあたって、その周辺の土地の坪単価(過去10年程度の売買事例をチェック)、土地付の中古戸建ての相場、一戸建ての賃料相場、を調べました。更地として売った場合、そのまま売った場合、売らずに誰かに貸した場合、のいずれかの選択肢を取った場合に、どのようになりそうか、というだいたいのイメージを持っておくことは重要かと思います。例えば、誰かに貸した場合、その賃料が住宅ローンの返済額を十分上回りそうであれば、手放すことなく貸すということも可能かもしれません(ただし、住宅ローンのままで借り続けられるかは銀行との交渉次第だと思います)。
最後にランニングコストですが、マンションの場合、住宅ローンに加えて、管理費および修繕積立金がかかります(修繕積立金は古くなるにつれて高くなる可能性が高いです)。さらに車を持っている方は駐車場代もかかります。一方、一戸建ての場合は管理費は必要ないですし、駐車スペースがついているものが多いでしょう。修繕費用は長期的な観点から積み立てておいた方がベターですが、自分の意志で好きなタイミング、やりたいように修繕、改修を行うことが出来ます。固定資産税という意味では建物割合の高いマンションの方が年々低下していくので安くなっていく可能性は高いですが、ランニングコスト全体で考えると一戸建ての方が有利なように見えます。
最終的にはわからない?
人生一度しかないわけで、最終的にどちらの判断がよかったのか、ということは誰にもわかりません。ただ、上に挙げた理由などから、現時点においては、ぼくは一戸建てを購入するという選択肢がベターなのではないかと思いました。
1年前には、まさか自分が1年後に一戸建てを買うという結論を出しているとはまったく想像していなかったわけで、今後、どうしていくかは自分でもわかりません。

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