先日、英語教育というタイトルでエントリを書きましたが、以下の記事を読むと、ロンドンの日本食屋さんの方々に「英語検定にパスする」英語力を備えてもらえないと、英国在住の日本人の生活水準が低下してしまうかもしれません。
英政府 外国人就労者に「英検」 EU域外対象 在留邦人“悲鳴”
【ロンドン=木村正人】英政府が来年から、欧州連合(EU)域外からの就労申請者に対し、一律に「英語検定」を実施することになった。英語力で外国人労働者をふるいにかけることで、就労者の流入に歯止めをかけ英国人労働者の雇用枠を確保する狙いがある。しかし、英語が苦手な日本人からは“悲鳴”もあがるなど波紋を呼んでいる。
英内務省は5日、在英日本大使館で開いたセミナーで、来年から導入される入国審査について説明した。それによると、学生などは除き、すべての就労申請者に対し英国の義務教育終了資格に相当する英語力を求める。
具体的には、英語検定の一つである英語能力認定テスト(IELTS)で、レベル5・5程度の得点が課せられる。これは日本の英検2級、国際コミュニケーション英語能力テスト「TOEIC」の650~700点に相当するレベルだ。
EUが25カ国に拡大した2004年以降、英国にはポーランドからの約100万人をはじめEU加盟国から労働者が大量に流入。英国には3000万人超分の雇用枠しかないため、外国人労働者の数をできるだけ絞る必要があると、英政府は説明している。
英国の在留邦人は約6万人。このうち1万数千人が滞在労働許可証を取得しているが、こうした外国人就労者についても更新時に英検が課せられる可能性もあるという。日本人駐在員の間からは「スシ職人に英語検定にパスしてもらわないと、日本らしい日本食がロンドンで食べられなくなる」という悲鳴も。
昨年からEU域外の科学者や企業主らにはIELTS6・0程度の英語力が課せられていたが、これも来年から6・5に引き上げられる。例外はイングランド・プレミアリーグなどのプロサッカー選手らだという。
もとの記事はこちらから。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/europe/93830
「英国の在留邦人は約6万人。このうち1万数千人が滞在労働許可証を取得しているが、こうした外国人就労者についても更新時に英検が課せられる可能性もあるという」ということで、まだ確定ではないようですが、万が一そういうことになってしまうと、
1.ロンドンを中心とした英国の各都市で英国在住者向けにおいしいお寿司を提供してくれる寿司職人の方が減少してしまう可能性がある(もちろん、IELTS5.5にパスする英語力を身に付けている方は問題ありませんが、ロンドンで生活できる英語力をお持ちの方が、IELTS試験にパスできるかどうかは別問題)。
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2.ロンドン在住者をはじめ、たまーにロンドンのお寿司を食べにマンチェスターからでも行っているような人々の楽しみが奪われてしまう。
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3.現在と比べて、英国は日本人にとって住みづらい場所になってしまう(あくまで現在との比較の問題です)。
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4.英国における日本人が減少しかねない。
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5.英国における駐在員ができるだけ日本または英国以外の国に住みたくなる。
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6.英国において日本企業がビジネスを展開しづらくなる。
なんて、シナリオになりかねません。お寿司屋さんのみならず、他の業態にも同様の影響は少なからずあるでしょう。もちろん、これはかなり極端なストーリーですし、4、5、6あたりは本当にそうなの?という気がしないでもないですが、決して好ましい方向性ではないと思います。
寿司職人の方で、本業以外の分野である英語の試験を受けてまで、イギリスで寿司を握りたいとどれほどの方が思われるのかわかりませんが、ぜひとも握り続けて頂きたいと思います。
ちなみに、日本人のIELTSの平均点はわからなかったので、TOEICの平均点を確認してみたのですが、400点台中盤から500点弱くらいといったイメージのようです。
http://www.eigotown.com/jobs/special/toeic/toeic.shtml
もちろん、この平均点はかなり多数の受験者の平均点であり、寿司職人の方に限った平均点は異なると思います。また、IELTSとTOEICでは問われる内容が異なりますから、単純にスコアを換算することは難しいでしょう。
ただ、繰り返しますが、日本人にとって好ましい方向でないことは確かだと思います。
最近は韓国語が日本でも流行っていてよく耳にする言語ですが、やっぱりよく聞くのは英語なのに
何故、言葉に出して表現とか出来ないかな(自分の事です)
日本人にとって、「英語検定」は結構深刻な問題ですね。
確かに生活するとなれば最低レベルは話せないといけないのだろうとは思うのですが、そうでなくても現在生活されている方もいらっしゃるんですね。そういう方は生活の中で自然に覚えて喋れるようになるのですか?勉強と言うカタチで覚えていくより生活の中から身についていくやり方は良いなと思うのですが(私だけでしょうか?)でも簡単な表現とかを知らないがゆえに言えない・・・・とかは悔しかったりしますが。
一般的には、こちらで生活を始められる前にある程度は日本で勉強されているとは思いますが、やはり日本でテキスト読みながらだったり、英会話学校で習ったりする内容と、こちらに住んで実際に使う英語というのはそれなりにギャップがあるかと思います。また、ある程度は自然に覚える表現もあるかと思います。