秋学期を振り返って

試験が終わったものの、その後もロンドンに行ったり、クリスマスパーティーだったり、バタバタしていたのでなかなか書けませんでしたが、今学期のレビューを書いておこうと思います。前半部分については以前書いたので、今回は後半を中心に書いてみます。
1. アカウンティング(管理会計)
管理会計という科目は今回初めて勉強しました。財務会計がある一定のルールの下、外部向けに数字を作るのに対して、管理会計はその会社ごとにルールを決めて、内部向けに数字を作ります。ということで、勉強してみた感想としては、何でもアリなんだなぁ、と感じました。マネージャーが管理しやすいように、社内のルールを決めて数字を出し、それらを意思決定に役立てていく、ということだと思います。
授業の中身としては、Variance analysis, Target costing, Budgeting, Balanced scorecard などのテキストにそのまま載っているような内容から、管理会計の分野に含まれるべきなのかどうかは知りませんが、インテルがCPU開発の際にロードマップ、コンソーシアムを使ったというケースを使って、会社間(Inter-firm)でのジョイントインベストメントの評価や、キャタピラーのインベストメントバンドリング(Investment bundling)と呼ばれる、これまた会社内(Intra-firm)での投資評価なども取り扱いました。
2. マクロエコノミクス
これはいわゆるマクロエコノミクスです。証券アナリスト受験の際に勉強したことがあったので、基本的な内容はある程度わかっていたのですが、それを筆記試験でエッセイの形でアウトプットするというのはまた別問題だと強く感じました。日本語だったらもう少し書けるような気もしたのですが、英語だとなかなか考えていることを自由には書けない、というのが正直なところです。
3. マーケティング後半
後半は先生が変わって、かなりスタイルも変わりました。何がもっとも変わったかというと、グループプレゼンの内容に対して、かなり厳しいツッコミをズバズバ入れるようになった点です。学生が何も考えずに4Pだ、CRMだ、などというプレゼンをしようものなら、
「それにはコストがどのくらいかかるのか?どのくらいの時間を要するのか?」
という感じで、ビジネスプランのみならず、ファイナンシャルプランもあわせて筋の通ったものにしておかないとかなり突っ込まれます。ということで、ぼくらのグループはこの先生の最初のグループだったため、打ちのめされてしまったわけです。
4. コーポレートファイナンス
比較的専門性を持っている人にはやさしい内容だった気がしますが、学生側の知識のレベルにはかなりバラツキがあったため、今までまったく勉強したことがなかった人にとっては難しく感じている人も多いようでした。マーケティングのような科目は、それほど前提となる知識がなくても、テキストを読んでおけばある程度議論に加わることができると思います(もちろん英語力は前提です、、、)が、コーポレートファイナンスのような科目の場合、テキストを読んで理解するのも一苦労、それが自分の知識として身に付くまでにまた一苦労、なのかもしれません。
5. M&A プロジェクト
これは今学期と来学期にわたって行うプロジェクトで、チームごとに取り組みます。今学期は特に評価される提出物等はなく、基本的には調査をしたり、授業を受けたり、といった内容でした。内容としては、Associated British Foods plcというFTSE100の会社(この会社の持っているブランドとしては、日本人として知っているであろうものに、紅茶のTWININGSがあります)を想定して、この会社がM&Aで事業を拡大していくとしたら、どのような戦略をとるべきか、を考えましょう、という内容です。
具体的には、
i) ABFそのもののバリュエーション
ii) ターゲット企業のバリュエーション&ランキング
iii) ネゴシエーション(マンチェスタービジネススクールの教授がターゲット企業のマネジメントに扮し、ぼくらが買収者としてネゴシエーションを行うようです)
iv) ジャスティフィケーション
といった内容です。これらのデッドラインが来学期早々から、他の授業のアサインメントに加えて、順次やってくる予定です。
ああ、恐ろしい、、、!
6. SMS (Soft Management Skills) プロジェクト
こちらもチームごとに取り組んでいるプロジェクトで、来学期まで続きます。ぼくのチームは地元の Waste Management (ゴミ回収 or リサイクル)の会社の依頼を受けて、競合他社分析、顧客満足度調査を行うことになっています。現在は競合他社分析に取り組んでいて、競合他社のリストアップ、情報収集の準備を行っているところです。
7. SMS (Soft Management Skills)
これはソフトマネジメントスキルに焦点を当てた授業で、不定期(週1回〜2週間に1回)に授業があります。ユングの心理学を応用して人間を4つのグループに分け、各グループの人の特徴や、各グループの人たちと効率的にコミュニケーションを取るにはどうすればよいか、などを学びました。また、効率的なチームの条件であったり、各プロジェクトを通じて経験したことをもとにどのようにすれば改善していけるか、などを議論しました。
これらの正規の授業に、就職活動系のイベントや、ビジネススクールコンペティション、スチューデントクラブの活動、などが加わってきます。これらを全てまともにやろうとするのは無理があるので、当然プライオリティに応じて対応していくことになりました。このプライオリティが個人間で異なるため、グループワークでは問題もありました。それに加えて、文化の違いというか、個人差というか、考え方、思想の違いがさらにチームワークを難しいものにしている気がします。(ぼくだけかもしれませんが)言葉の壁がある中、日本でのように遠まわしの表現ばかりだと全くコミュニケーションは取れませんし(勘違いされてしまうし)、タイムマネジメントに関しても、時間にルーズな人がいたりするとフラストレーションがたまります。そして、自分の立てたスケジュールがグループワークのために予定通り行かないことも日常茶飯事でした。
来学期はこれらのことを少しずつでも改善しながら、ゆとりを持って取り組んでいけたら、と思いますが、まず難しいというのが実際のところでしょう。
がんばります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です