不動産投資リスクの基礎知識

ここ最近、巷には不動産投資に関する本があふれかえっていると思います(少なくとも昨年日本にいた時はそうでした)が、金融機関が著者となっている本はあまり多くない気がします。「三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部」が著者ということで、どんな書き方なんだろうと思って読んでみました。コチラにいると相変わらず中身を見ずに買わなければならないのがつらいところですが、きっちり書かれていそうだったのでよいかな、と。
不動産投資リスクの基礎知識―危険を見抜く、対処法を知る、利益につなげる
三菱UFJ信託銀行不動産コンサルティング部 日経不動産マーケット情報
4822224279
で、読んでみた印象ですが、個人が不動産投資をする場合に読むというよりは、金融機関などで不動産関連の業務(例えば証券化など)に携わろうとしている入門者向け、といった内容になっていると思います。
というのは、基本的にオフィスビル向けの話が多いです。個人で不動産投資(ここでは証券ではなく現物です)をする場合に、いきなりオフィスビル一棟とかに投資する方はかなり稀な例だと思います。そういった意味では、個人で不動産投資を考えている方にはもっと他に参考になる本がある気がします。
ただし、キッチリ書いてあるといえばキッチリ書いてあるので、そういった面では参考なることもあります。例えば、環境リスクのところでは、アスベスト、PCB、土壌汚染などについて法令と共にかなり詳しい説明があったり、関係者の権利義務や信用に関するリスクと対応策についても25ページも割いて説明されています。
もちろんプロからするとかなり基礎知識なのかもしれませんが、素人からすると幅広くそれなりの深さで網羅されているという気がします。
それから、
1 開発
2 取得
3 保有・運用
4 売却
という時間の流れのそれぞれに対して、
1 市場変動リスク
2 法的リスク
3 管理運営リスク
4 土地・建物の物理的リスク
という項目に分かれて書かれており、それが一覧できる表もついているので辞書的な使い方をするのには便利かもしれません。

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