7月末のアセットアロケーションです。
今回は、少しリバランスをしました。確定拠出年金口座で新興国株式を売却、先進国株式を購入しました。新興国株式クラスはすでに目標アロケーションになっていますが、先進国株式クラスがあまりに目標と遠いので、リバランスを実行した次第です。
リバランスの過程で税金を払いたくないので売却は確定拠出年金口座のみで行いたいのですが、信託報酬の口座間での最適化を考えると、確定拠出年金口座では先進国株式クラスのみを保有する形になるので、両立はできない状況です。
とは言うものの、目標アロケーションまでまだまだ遠い状況なので、そのあたりは目標アロケーションに一度到達してから悩みたいと思います。しばらくは、基本的に「購入」のみで、目標に近づけて行く予定です。
アセットクラス別に見るとREITが増加、株式が減少となっています。
カントリー別ではリバランスにより、先進国が増加、新興国が減少という明確な結果が出ています。日本が低下しているのは、他地域に対してアンダーパフォームしていることによるものかと思います。
最後に、数字で確認しておきます。上述の内容があらためて確認できるかと思います。
目標アセットアロケーションを決めてはいますが、これ自体も、少し見直した方がいい気もしています。GPIFもやっていることですし(まったく関係ありませんが)。
それにしても、GPIFは日本株式のウエイトを上げる前に、世界株式のウエイトを上げた方がよいのではないかという気がします。
個人的な意見としては、小幡さんの意見(例えば、以下の記事)に少し近いです。だからこそ、個人的な目標アセットアロケーションも、日本株式は、株式クラスの中で1割以下に抑えています(現在、目標に向かって必死に変更している過程なわけですが)。
GPIF「日本株を絶対に今より減らすべきだ」-小幡前運用委員 (2)
5月7日(ブルームバーグ):年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )はリスク分散を図るため、日本株の割合を引き下げるべきだ-。GPIFの運用委員会の委員を先月退任した慶応大学ビジネススクールの小幡績准教授は、同法人は国内債券・株式から海外の高収益案件などに資金を移すのが望ましいと説く。
世界の時価総額に占める割合を考慮すれば、世界最大の年金基金であるGPIFは「日本株を絶対に今より減らすべきだ」。小幡氏は2日のインタビューでこう述べ、「外国株より多い現状は「明らかに買い過ぎ」であり、内外株合計の「せいぜい1割」が妥当だと指摘した。
小幡氏によると、上場株は「流動性がある分、リターンが低い」。GPIFは株式の保有を一定に抑える一方で、規模が大きく長期的に運用できる強みを生かし、流動性には乏しいが比較的高い利回りを安定的に得られる海外の不動産やインフラなどオルタナティブ(代替)投資を徐々に増やすのが適切だと言う。
厚生年金と国民年金の積立金128.6兆円を抱えるGPIFの資産構成はホームバイアス(自国資産選好)が強すぎると小幡氏は指摘。国内債の比率をできる限り引き下げるとともに、国内株という枠組みを強調するのも望ましくないとし、「グローバル株式とグローバル債券」に分け、国内外への資金配分は機動的に判断するのが賢明だと語った。
小幡氏は、安倍晋三内閣の経済政策、アベノミクスへの批判を盛り込んだ「リフレはヤバい」の著者。4月21日までに任期満了を迎えたGPIF運用委員の1人だ。分散投資の推進には「相当積極的」だと自認する一方、GPIF改革は公的年金の被保険者のために推進すべきで「政治的にプレイアップするものではない」としている。日本株の買い増しに反対を表明したのは退任してからだと話した。
国内株わずか7.8%
昨年に51%上昇したTOPIX は年初来10%を超える下落となっている。安倍内閣が金融緩和と財政出動だけでなく実効性のある成長戦略によって日本経済の持続的な回復を示す前に、海外投資家は売り越しに転じている。
GPIFの資産構成比率を定めた基本ポートフォリオでは、国内債は60%、国内株は12%、外国債券は11%、外株は12%。昨年末時点では国内債が55.2%と2006年度の設立以降で最低となる一方、国内株は17.2%と07年12月末以来の高水準を記録した。外債は10.6%、外株は15.2%。ブルームバーグのデータによると、先進国のソブリン債指数 に占める日本国債の時価総額は27%。国内株はMSCI先進国株価指数 の7.8%に過ぎない。
小幡氏は国内債比率の引き下げに疑問の余地はないが、運用資産の取り崩しに備え、円滑に現金化できる流動性の高い資産が必要な面もあると指摘。個人的見解では、妥当な水準は「世界の時価総額における比率と現状との間」が妥当だと述べた。日本の長期金利の指標となる新発10年物国債利回り は足元で0.6%程度と世界最低だ。
「目からうろこ」は皆無
日本銀行の黒田東彦総裁が2%の物価目標を目指す中、GPIFは国内債比率の引き下げと収益向上を求める圧力に直面している。昨年11月には政府の有識者会議が国内債偏重の見直しやリスク資産への投資などを求める提言をまとめた。座長を務めた伊藤隆敏政策研究大学院大学教授は先月のインタビューで、国内債を40%程度に引き下げるなどして海外の主要な年金基金に対する出遅れを早く取り戻すべきだと述べた。
しかし、小幡氏は有識者会議の提言はGPIFの運用委員会がすでに議論してきた内容ばかりで「『目からうろこ』な点は1つもない」と言う。GPIFの運用改革では出資者である国民の理解と納得を得るまで丁寧に議論を尽くすことが「憲法改正の場合以上に必要」だとし、安倍内閣が6月で期限を切るのは、議論の成熟度合いを考慮すると「物理的に短すぎる」うえ、国民の理解の必要性を「全く視野に入れていない」と述べた。
株価支援に利用か
安倍首相は1月、スイスの世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で基調講演し、GPIFのポートフォリオ見直しに言及した。5月1日にはロンドンで、GPIFの運用改革を訴えた。麻生太郎財務相は4月16日、GPIFの動きが6月以降に出てくるため外国人投資家が動く可能性が高まると発言。翌17日にはGPIFの運用のあり方を6月までの成長戦略の改定作業で検討していくと述べた。
GPIFは小幡氏の運用委員在任中に、有識者会議の提言に沿う形で海外インフラ投資や自己資本利益率(ROE)を重視した国内株運用、J-REIT(不動産投資信託)投資などを相次ぎ開始した。小幡氏はGPIFの運用改革に「すごく賛成」だとしながらも、基本ポートフォリオの見直しについては年金財政検証の結果を受けて年度内に議論し来年4月から実施する仕組みだとくぎを刺した。
安倍内閣がGPIFの改革を急ぐのは、「成長戦略の目玉に利用」する狙いがあると、小幡氏は推測している。しかも「成長イコール株価上昇などという安直な理解」の恐れがあり、株価支援のためにGPIFの基本ポートフォリオ見直しを利用しているのではないかという「疑いを持たざるを得なくなってくる」と言う。
田村憲久厚生労働相は4月22日付で、運用状況の監視や三谷隆博理事長への建議などを担うGPIFの運用委員7人を任命した。うち3人は有識者会議の出身者で、任期満了となった9人中、再任は1人のみだった。委員長に選ばれた早稲田大学大学院の米沢康博教授と委員長代理の野村総合研究所の堀江貞之上席研究員は有識者会議の委員だった。
2期4年の任期を終えた小幡氏は、GPIF改革をめぐる論点をブログなどで紹介。投稿では、GPIFの国内株買い増しは他の投資家に「先回り」されており、上昇後の高値で買わされることになるなどの問題点を指摘した。
安倍内閣はGPIF改革という筋書きで外国人投資家を再び呼び込み、株価を動かせると過信していると指摘。海外勢は改革の本質を注視しており「子供だまし」では信じてもらえないと言う。しかも、政策変更を捉えてもうける「モメンタム・トレーダー」が多く、アベノミクスの持続可能性が低下してきたとみれば「そう簡単には乗ってこない」との見方を示した。
更新日時: 2014/05/07 14:48 JST