平成24年路線価発表ー今年も下落傾向続いてます

すでに1週間ほど経ってしまいましたが、平成24年の路線価が発表になっています。全国的にはまだ下がっているところもあるようですが、下落率は縮小傾向、特に東京都内の標準宅地については1.2%減ということで、あまり変わっていないようです。墨田区京島地区の路線価は前年比2・1%の上昇ということで、スカイツリー効果もあったようです。

路線価、4年連続下落=全国平均2.8%減-福島原発周辺はゼロ継続・国税庁
 国税庁は2日、相続税や贈与税の算定基準となる2012年分の土地の路線価(1月1日時点)を公表した。標準宅地約35万8000地点の対前年増減率は平均2.8%減で、全国の水準は08年秋のリーマン・ショック以降4年連続のマイナスとなった。東京電力福島第1原発周辺は評価が困難として路線価を示さず、前年に続き「価格をゼロと申告して構わない」とする措置を取った。
 都道府県別の増減率は全てマイナス。特に高知(9.0%減)、徳島(7.6%減)など12県では下落幅が少なくとも2年連続で拡大し、深刻な不動産不況がうかがえる。逆に愛知(0.5%減)、沖縄(0.9%減)など20都道府県は2年連続で縮小。三大都市を中心とした地価の下げ止まり傾向で、全国平均の下落幅も前年の3.1%減より小さくなった。
 福島第1原発事故で路線価がゼロ扱いされるのは、1月時点で警戒区域、計画的避難区域だった福島県の双葉町、大熊町など11市町村内の地域。この地域を除いても同県の下落幅は6.7%減で、前年の3.3%減から大幅に拡大した。
 東日本大震災で沿岸部が甚大な被害を受けた岩手(6.0%減)、宮城(3.8%減)も下落幅が前年を超えた。
 都道府県庁所在都市ごとに路線価の最高額を前年と比べると、松江など37市が下落し、8市は横ばい。札幌、名古屋の2市は上昇に転じた。
 路線価の全国1位は、27年連続で東京・銀座の文具店「鳩居堂」前となり、2.2%減の1平方メートル2152万円。同じ銀座の三越前、和光前も同額だった。(2012/07/02-11:19)

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012070200264

スカイツリー周辺、路線価上昇…液状化対策も
国税庁が2日発表した全国の路線価は、4年連続の下落ながら下落率は縮小した。
 首都圏の湾岸エリアの高層マンションは人気復活の兆しが見え、東京都墨田区の東京スカイツリー周辺では一部で上昇した。一方、津波被害に見舞われた宮城県石巻市では内陸部への「一極集中」が起き、福島県は原発事故の影響で不動産取引の停滞が続く。
 ◆不安を解消
 「これだけ対策が取られていれば問題ない」。東京都江東区の湾岸エリアにある52階建て高層マンション。モデルルームの見学に訪れた横浜市の男性会社員(38)は、非常用エレベーターに自家発電が導入されていることや、液状化対策が強化されていることに満足げな表情を浮かべた。
 マンションを手がけた野村不動産によると、全600戸は完売になる見通しだという。担当者は「アンケートを実施し、顧客の不安を解消する対策を施した」と話す。不安とは、地震で高層マンションのエレベーターが止まって階段で上り下りしなくてはならなくなったところがあることや、液状化への恐れだった。
 東京スカイツリー効果もある。近くの墨田区京島地区の路線価は前年比2・1%の上昇。ツリー周辺の不動産業者は「取扱物件数が1割ほど増えた」とし、別の業者も「1Kから1LDKの新築物件では、賃料が2万円ほど上がった」と話す。
 ◆内陸部で高騰
 東北各地の路線価が軒並み下落する中、前年比2・1%上昇した宮城県石巻市蛇田
へびた
地区。内陸部にあり、三陸自動車道のインターに近い。市は、この地区の87ヘクタールに新しい市街地を開発し、被災者の一部を集団移転させる計画だ。だが地権者との交渉は難航しており、了承を得たのは半分の43ヘクタールにとどまる。原因は地価上昇だ。市内の不動産会社によると、1坪(3・3平方メートル)12万~13万円だった土地が20万円程度に上がっている。
 市中心部の移転対象者への市の調査では、86%が同地区への移転を希望していた。市の担当者は「価格に関係なく提供してほしい」と語る。
 一方、福島市の「極東不動産」では、「放射線量が高くて不安だ」と告げられ、売買契約を見送られた物件が5、6月ともにあった。「除染しないと安心できない」との声は根強く、同市の不動産鑑定士は「若い世代が放射性物質の影響を心配し、特に更地の取引は動きが鈍い」と指摘する。
(2012年7月2日15時26分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120702-OYT1T00720.htm
ちなみに、自分が持っている物件の路線価は、最も下がったところで2.3%減でしたが、半分くらいは前年比変わらずで、大きな変動はありませんでした。今後しばらくは緩やかな下落から、変わらず、といった感じで推移していくのではないでしょうか。
少し前の記事ですが、以下のようなニュースがあり、現在の水準が底に近いと考えている人は多いのではないかと思います。

ゴールドマンが日本の不動産投資再開、4年で4000億円目指す
2012年 05月 28日 21:28 JST
[東京 28日 ロイター] 米ゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)はアセット・マネジメント部門を通じて日本で不動産投資を再開する。投資家から資金を募集し、その規模は今後3─4年で約4000億円を見込む。東京のオフィスビルを中心に投資を行う。
国際的に金融機関の自己資本規制が強化されるなか、投資銀行は自己資金で投資をしにくい環境だが、ゴールドマンは投資家の資金を集め、底打ちしたとみる日本の不動産市場投資を再開する。
関係筋によるとゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)は国内の年金基金など機関投資家から募集した資金で、7月をめどに私募の不動産投資信託(リート)を設定する。当初は約1000億円の規模を目指す。
これとは別に、海外の投資家からも資金を集め、日本の優良不動産に投資する。海外投資家は日本の私募リートには投資ができないため、別枠での投資となる。国内外の投資家をあわせた投資の規模は、中長期には4000億円を超える見通し。
関係筋によると、ゴールドマンが日本の不動産投資を行うのは、東京のオフィスビルの市況改善が予想されるとみているほか、世界の主要都市に比べ、利回りが高いことなどが背景にあるとみられる。
ゴールドマンはモルガン・スタンレー(MS.N: 株価, 企業情報, レポート)や米不動産ファンドのエートス・キャピタルなどと共に、1990年代後半から日本の不動産を積極的に買収していたが、リーマンショック後、投資活動は停滞していた。
ゴールドマンの当時の投資対象はゴルフ場や温泉旅館で、自己資金を活用して投資し、経営を立て直すことでリターンを得る戦略だった。今回の投資は、収益の安定した都心の優良物件を中心とするのが特徴。
(ロイターニュース 藤田淳子 編集 橋本浩)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE84R00420120528

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