一棟ものと、区分所有の比較7回目は規模拡大のスピードです。
今回も比較するにあたり、前提条件は以下の通りとします。
まず前提として、自己資金1000万円くらいで投資をする場合を想定しておきます。 一棟ものであればローンを借りて5000万円程度の物件(木造アパートか、かなり小型のマンションあたりでしょうか)、区分所有であればローンを借りてワンルーム3つ購入、といったイメージでしょうか。
今回も、一棟ものの勝ちです。これも間違いありません。
上記の例であれば、ワンルームの場合3部屋だけですが、一棟ものの方であれば4戸か6戸程度の物件は購入可能だと思いますので、一棟ものの方が規模という意味では拡大することが可能です。
しかも、ワンルームを3回購入する場合、その都度、売買契約、ローンの審査・手続き、決済、といったプロセスを繰り返す必要がありますが、一棟ものであれば1度で済みます。売買手続きに関する手間という意味でも、一棟ものの方が明らかにラクです。
ということで、ここでは、規模を単純に戸数として、規模拡大のスピードを考えましたが、その前提であれば一棟ものの方がスピードは速くなるかと思います。ただし、一回目の一棟ものと、区分所有ではどちらがよいか(1)立地でも書きましたとおり、区分所有は都心のど真ん中も十分対象に入ってきます。一部屋あたりの賃料が、区分の場合7万円、一棟ものの場合5万円だったりすると、区分の場合は3部屋で21万円、一棟ものの場合4部屋だとしたら20万円、6部屋だとしたら30万円ということになります。6部屋の場合、単純に部屋数は2倍ですが、賃料という意味では1.5倍程度ですので、賃料の金額ベースでは、規模が戸数ほどには開かないかと思います。
部屋数が多いということは、(空室率が同じだったとしても)それだけ入退去の発生する回数が増えるわけで、その都度、原状回復、募集といった手続きが発生するので、多ければ多いほどよい、というものでもないかと、個人的には思っています。
ということで、規模拡大のスピードでした。