昨日、平成25年の路線価が発表されました。大都市中心に底入れ感とのことですが、実際、ぼくが持っている物件の路線価はほとんどの箇所で前年比変わらず、1カ所上がり、2カ所が下がる、という状況でした。動いたところも、いずれも小幅な変動に留まっており、かなり安定してきたのではないかという気がします。
今後、アベノミクスでどれほどの効果が出るのかはわかりませんが、ここからさらに大きな下落モードに入る可能性はかなり限定的なのではないかと思います。
路線価、大都市中心に底入れ感 REITの取得活発
2013/7/2 1:32日本経済新聞 電子版
国税庁が1日発表した2013年分の路線価(1月1日現在)は全国平均で前年比1.8%下落となった。4年連続で下落幅が縮まり、大都市圏を中心に地価の底入れ感を示した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待感から不動産投資信託(REIT)の物件取得が活発になっている。ただ、足元では金融市場に変調も見られ、地価の本格回復には不透明感も残る。
路線価は調査地点が約36万カ所と公示地価(2万6千カ所)よりも多く、詳細な土地の相場動向を把握できる。今年は全国平均が5年連続で下がったが、下落幅は1ポイント縮小した。
都道府県庁所在地の最高路線価をみると、上昇したのは7都市と前年(2都市)から大幅に増え、横ばいは前年と同じ8都市だった。上昇が目立ったのは横浜市や名古屋市、大阪市などの大都市。一方で下落率が約10%の松江市や約9%の山口市と高松市など地方都市は低迷が目立つ。
国土交通省が発表する地価動向報告でも4月は全国の調査地点の過半が3カ月前に比べて上昇した。けん引役は日銀の異次元緩和で資金調達力を高めたREITだ。不動産証券化協会によると、REITの1~6月の物件取得額は1.3兆円と昨年1年間の実績を7割も上回り、過去最高だった06年(1.9兆円)超えも視野に入る。
「企業の移転や事業拡大意欲も高まっている」(不動産サービスを手がけるシービーアールイーの賀藤浩徳氏)。同社が算出する東京都主要5区のオフィス空室率は3月末で6.7%と3四半期連続で低下。新設住宅着工戸数が5月まで9カ月続けて前年同月を上回るなど個人の住宅購入も活発になっている。
ただ、5月下旬以降は株式やREITの相場下落が目立つなど金融環境は不動産市場に逆風へと変わりつつある。
「景気回復を伴わない形で長期金利が上がれば、不動産投資家の資金調達の妨げになる」とドイツ証券の小夫孝一郎氏はみる。企業のオフィス投資や個人の住宅購入が好調を維持するには、企業収益や雇用・賃金の回復が不可欠との見方は多い。
そんな市場環境ではありますが、以下の記事によると、若者の持ち家比率が低下しているそうです。住宅ローンの固定金利が足下では少し上がっているものの、まだ歴史的には住宅ローン金利は低い水準なので、買いやすい環境だとは思います。というより、都心部の不動産が割高なので、買うよりも賃貸の方が安い、という経済合理的な判断もあるのかもしれませんね。確かに、最近広告に入っているような超都心のマンションは高い気がします。まあ、悩ましい選択であるのは事実です。
40歳未満の持ち家比率、28.4%に低下 国交白書
賃金伸び悩みで賃貸志向
2013/7/2 11:06日本経済新聞 電子版
国土交通省は2日、2012年度の国土交通白書を発表した。40歳未満の若者の持ち家比率が1983年から08年の25年間で42.2%から28.4%へと約14ポイント低下した。賃金伸び悩みで、民間の賃貸住宅に住む傾向が強まった。持ち家取得や質の高い賃貸住宅の供給を支援する必要があるとしている。
12年度版の白書では「若者の暮らしと国土交通行政」をテーマに若者の住宅や働き方の変化を調べた。
30~39歳の持ち家比率は53.3%から39%へと約14ポイント低下した。30歳未満は17.9%から7.5%へ約10ポイント下がった。20~30代の持ち家志向は11年に75.5%と高いが、実際には実現していないことが浮き彫りになった。賃貸住宅の場合、居住面積は40歳未満(2人以上の世帯)で55.4平方メートルと持ち家のほぼ半分だ。
背景には賃金の伸び悩みや非正規雇用の増加で家賃の負担が重くなっていることがある。
09年時点で、30~39歳の住宅ローンを借りている人の返済額が可処分所得に占める割合は2人以上の世帯で、19.8%と20年前に比べ6.6ポイント高まった。一方、家賃が可処分所得に占める割合は09年に40歳未満の2人以上世帯で14.9%と同約4ポイント上がった。
白書は、20~30代の若者が東京都心に居住する傾向が強まっていることも指摘。移動の利便性を重視している若者の傾向を反映している。国交省は都市機能の集約や公共交通の充実を通じた「コンパクトシティ」の形成が一段と重要になるとの認識を示している。