マイホームを買うべきか? - まずはシンプルなソロバンから

先日
直伝 藤巻流「私の個人資産」運用法 – ある投資家の日々

ということで、最近、自宅を買うという選択肢もあるかもしれない、と本気で考え始めているところです。

と書きましたが、家を買うべきかどうか、まじめに考えていこうと思います。
生きている限りは毎日どこかに寝泊りする必要がありますので、ある意味、今後の人生を考えながら決めていく必要があるかと思います。
ハード的な面、ソフト的な面、等いろいろな見方があるかと思いますが、まずは自分の得意分野である、エコノミー的な観点から始めたいと思います。
と言っても、ぼくはマイホーム購入について専門家ではありませんので、まずは第一歩として専門家の方のシミュレーションを出発点としたいと思います。
ローンに縛られない生き方がカッコイイ!? 賃貸vs持ち家の生涯収支
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AllAboutの記事からそのまま引用させて頂きました。

実際には家賃やローン金利が変動したり、管理費や固定資産税などが物件により大きく異なったりするので誤差はありますが、35年間の負担では大差ないということもできるでしょう。

ざっくりベースでは、大差ない、と見えます。
しかし、家を買うべきかどうか、といったシミュレーションは本当に複雑で、前提の置き方によっていくらでも結果が変わりうるものだと思います。
例えば、この例ですと家賃は16万円で、購入価格が4000万円(諸費用込みだと4200万円)を前提としています。不動産投資的に考えてみると、年間の家賃収入は表面で、
16万円×12=192万円
となりますから、表面利回り(実質利回りではありません!)は、
192万円 / 4000万円 = 4.80%
となります。
この物件が新築か、中古かはわかりませんが、もし築10年くらいで3200万円とかでこの物件を購入することができたら、
192万円 / 3200万円 = 6.00%
と利回りは上昇します(あくまで賃料は同じであると仮定します)。売主さんがどうしても現金化したいなどのニーズがあった場合、2割引くらいで買えるチャンスがあるかもしれませんので、そんなに非現実的な仮定とも言えないかと思います。
一方、同じ物件を新築で5000万円で購入してしまった場合は、逆の結果となり家を買うことが不利になります(ここでは、リフォームの可能性、管理組合などなど、数字には出てこない差異は無視しています)。
そもそも借り入れ金額が変わってきますので、トータルでの金利負担も変わってくるので、購入時の価格以上にその差は大きなものとなるでしょう。

お年寄りに冷たい賃貸住宅!?
ただし、持ち家の場合は住宅ローンが終わると負担が急に軽くなりますが、賃貸ではずっと家賃を払い続けなければならないという違いがあります。若いうちからコツコツと老後資金を蓄えておけばいいかもしれませんが、国の年金財政が破綻しかねないといわれるなか、わずかな年金収入から家賃を払っていけるかどうか不安が残る人も多いでしょう。

記事では35年(住宅ローンの最長期間)の比較になっていますが、ここで触れられているように、それ以降を考えると差がハッキリと現れてくると思います。
賃貸の場合は家賃16万円+共益費1万円を払い続けなければなりませんが、購入の場合は管理費、修繕積立金、固定資産税、都市計画税で年間41万4000円、つまり月額3万4500円と負担はグッと軽くなります。
仮に平均寿命くらいまで生きるとして、
25歳で購入したら50~60年程度
35歳で購入したら40~50年程度
45歳で購入したら30~40年程度
住み続けることになります。もちろん、自分の子供の世代も住み続けるとか、言い出すことも可能ですが、シミュレーションがますます複雑になりそうなので、自分の人生だけを考えればよいでしょう。
とりあえず、今後の話は35歳で購入するという前提で話を進めたいと思います。
すると、ざっくり45年間住むことを前提に考えていくことになります。上のシミュレーションでは、35年間ですので、さらに+10年分の収支も考慮に入れなければなりません。すると、持ち家の方が、毎月(16+1)万円-3.45万円=13.55万円だけ負担が低くなりますから、人生全体で見た場合、
13.55万円/月 × 12ヶ月/年 × 10年 = 1626万円
だけ安くなることになります。
例えば、築25年の物件を購入した場合、20年くらい住んだところで建て替えの話が出てきたりするのかもしれません(このあたりは、ハッキリ言って想像つきません)。そういったことを考えると、築10年以内程度の物件を買うのが、よいのかなぁ、と漠然と思います。
子供が生まれたり、夫婦二人にもどったり、とその都度住みかえていく、というシナリオもあるかと思いますが、まずは一生住むことを前提に考えていきたいと思います。

2 件のコメント

  1. 匿名 返信

    物件購入を前提にした場合のマンション特有の問題に直面せざるを得ない。
    45年間のうちに物件が経済的耐久年数を迎えて建て替えが必要となったら?年を取ってからの建て替えは難しい。(新たに家を借りるのも難しいけど)
    マンションなら、建て替えが必要な物件は…売れないよな。だから建て替え反対の一択。でも区分所有権だから思いのままにはならない。「残り時間」が多くないのに今更大きなお金はかけられないのに。
    当エントリでは修繕積立金に触れてますが、修繕積立金の範囲内で修繕が終わるとは到底思えない。小修繕・大修繕の度に追加でお金を集めるようなイメージ(マンションのチラシの小さい文字見てるとそう思う)。
    一戸建てなら更地にして売却が比較的容易?そして住み替えへ…(楽観視しすぎ?)。一戸建てでも屋根の葺き替え・水回りの補修など手を入れる部分は多いが45年使いきりだと思えば手を抜きつつだましだましという可能性もありか。
    所有・賃貸いずれにしてもマンションでは、リスクをとりたくない数十年後の問題が看過できない気がしている。

  2. yokoken 返信

    鋭いコメントを頂きましてありがとうございます。
    45年後にどうなるかを予想するのは至難のワザでしょうね。
    45年後にどうなるのかわかりませんが、突然のサプライズにならないためには、管理組合で話し合い、居住者間でしっかりコンセンサスを取っておけば、よいのではないかと、楽観的には思っています。ただし、ファミリータイプ物件の管理組合というものに入ったことがないので、実際どの程度活発なのかは未知ですね。もちろんマンションによって玉石混交だと思いますが。
    修繕積立金の一時拠出については、こちらもマンション次第なのではないかと思います。長期修繕計画をきっちり立てて一時拠出が必要ないようにやっているところもあれば、計画性がないところもあるでしょう。
    毎月の修繕積立金×戸数で、ざっくり毎月のマンション全体での積立金額を計算して、どのくらい妥当なものか事前にチェックしておく必要はあると思います。
    一戸建ては区分所有ではありませんから、すべて自分の意志で行動でき、そういう意味では自由度が高いですが、それ以外にもいろいろ考慮すべき点はありそうですね。
    そのあたりを少しずつ勉強していきたいと考えています。

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