東京のどこに住むのが幸せか

東京のどこに住むのが幸せか (セオリーブックス)
山崎 隆
4062143402
いわゆる不動産投資の本ではありませんが、マイホーム(マンション)を購入する際にどういった視点で考えていくべきか、投資、資産形成といった観点から紹介している本です。そして、都内を55のエリアにわけて各地域ごとに評価しています。
今までぼくは以下のエントリなどでも触れたように、新築マンションは割高であって絶対に買ってはいけないもののひとつだと考えていました。
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践
現役・三井不動産グループ社員が書いた! 「ダメマンション」を買ってはいけない
しかし、最近少しずつ考え方がかわりつつあります。

資産価値のあるマンションや一戸建ての定義を、勘違いしている人が多い。どんなに耐震性能がよくても、どんなに眺望がよくても、どんなにリビングが広くても、衰退することが運命づけられた街の住宅を買ってしまったら、すべては水の泡である。 (P.19)

街を選べば、かならずしも資産価格は暴落しない可能性が高いのではないか、と思い始めました。例えば次のような記事を見つけました。

絶景?! [アトラスタワー小石川]

現在は新築購入時の130%くらいの価格で取引されてますので、
是非、売ってもいいという方はご連絡ください。

http://jkhome.blog.so-net.ne.jp/2007-05-01
実際、近所に住んでいるのでこのマンションは知っているのですが、確かによさげなマンションです。なかなか手放す人がいないようで、売り物件としての広告を見たことがあるのは一度だけです。
また会社のある先輩がマンションを買おうとしているのですが、現在ねらっている中古マンションは分譲価格よりも高いらしいことがわかった、なんて話も聞きました。
こういう地域の物件であれば、あんまり暴落することもないのではないかと思います。もちろん市場環境にも依存するので簡単な話だとは思いませんが、今後、しばらくは買い時なのかもしれません(優遇税制もありますし)。
数字の大きさだけにとらわれてはいけないのだと思います。
例えば、分譲価格が6000万円の都心のマンションと、4000万円のちょっと郊外のマンションで、同じような仕様だったして、10年後、20年後の資産価格の下落率が大きく違う場合は6000万円のマンションの方が割安なのかもしれません。前者は20年後でも5000万円で売却できるかもしれませんが、後者は2000万円でも売却が難しい、といった事態になっている可能性もあるでしょう。
じゃあ、どうやって選べばよいのか、という話になるかと思いますが、結局はこういった本を読んだり、専門家に話を聞くなどしながら、勉強して最終的には自分で選ぶしかないと思われます。好き嫌いとかもあるでしょうし。
この本では、収益還元法の考え方を用いて、人に貸したとしてどのくらいの賃料が取れそうか、といった、まさに不動産投資の考え方で、適正価格を計算する方法を紹介しています。マンションを購入する場合は、その売買価格とともに、同程度の物件の賃貸価格も同時に調べる必要があるわけです。

ある専門家グループの研究結果によると、「短期間で大規模な都市が形成されたニュータウンほど、その後の街の衰退が著しい」という法則があるという。 (P.17)

つまり、短期間で人気化した場所などは、その人気は一時的なものである可能性が高いようです。そういう意味では、やはり新興地域よりは、昔から知名度のある有名地域のマンションがよいのでは、という結論のようです。
この山崎隆さんの本は以前も紹介しましたが、家を買おうとする前に、何冊か読んでおくとよいと思います。数千円の本を買って読む手間を惜しんでしまったために、1000万円単位の損をした、なんてことになったら悲惨ですし。
今まで、家を買おうなんて、まったく思っていませんでしたが、ちょっと考え方が変わってきました。一度分析してみたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です