従業員を大切にする企業

楽天がオフィスビルで社員食堂、フィットネスジム、自習スペースなどを充実させているそうです。

食堂無料 「楽天タワー」で社員の“自走”に期待する三木谷社長
楽天の新オフィス「楽天タワー」にある「楽天食堂」の昼食は無料だ。「“会社に使われている感”を取り除き、会社を家族のように思ってほしい」と三木谷社長は狙いを語る。
(一部抜粋)
タワーには、オフィス機能に加え、フィットネスジムや自習スペースを設置。480席ある社員食堂「楽天食堂」は、朝・昼とも無料で利用できる。社員だけでなくアルバイトや業務委託社員も無料だ。

もとの記事はこちらから。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/11/news100.html
こういうのって、いいなぁ、と最近は以前にも増して思います。北尾 吉孝さんの「何のために働くのか」を読んで以降、強くそう思うようになったのかもしれません。
というのは、日本の場合、会社員として働いている人が多いわけです。人にもよるとは思いますが、一日10時間、週5日を会社で過ごすとしたら(実際にはもっと長いかもしれませんが)、週50時間を会社で過ごしていることになります。1日24時間なので、1週間あたり168時間あるわけですから、このうち50時間ということは約3割の時間(人生)を会社で過ごしていることになります(とりあえず、出張とか、外交とかは除いておきます)。
もっと言えば、人間は毎日寝なければいけません。1日7時間眠るとしたら、1週間あたり49時間寝ていることになるので、1週間で起きている時間(意識がある時間)は119時間になります。119時間のうちの、50時間会社にいるのであれば、4割ちょっとの時間を会社で過ごしていることになるわけです。
人生のうち、起きているうちの4割以上を過ごすのであれば、会社と言う居場所が快適であるに越したことはありません。もちろん北尾さんのおっしゃるように、仕事そのものを好きでなかったら、この4割の時間は苦痛で仕方がないことでしょう。仕事の好き嫌いにも影響があるかと思いますが、生活空間である職場が快適であるなら、仕事の楽しさも増大する可能性が高いでしょう(MBAっぽく言うと、ハーツバーグの衛生要因というやつでしょうか。まあ必ずしも動機づけにつながるかはわかりませんが、少なくとも不快要因を削減できるというわけです)。
そういう意味で楽天のこの話は、いいなぁ、と純粋に思いました。
楽天に整っているのかどうかわかりませんが、後は仮眠がしやすい環境だとなおいいですね。食後の短時間(15~30分程度)の昼寝は頭をスッキリさせて、その後の仕事の効率改善に役立つ、といった話がいろいろなところで書かれています。こういうことが普通にできる職場だったら、より快適になる気がします。設備的には難しくても、そういった行為を理解して、許容するカルチャーが醸成できたらいいのかもしれません。
ちなみに、ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー10月号のBRAIN FOODというコーナーに

従業員に愛される企業は業績が高い
ゲイリー・デイビス ほか マンチェスター・ビジネススクール 教授

http://www.dhbr.net/magazine/backnumber/200710.html
というものが掲載されています。最近の研究で、顧客に愛されると同時に、従業員に愛されるという視点もそれと同じくらい重要であることがわかってきたようです。上の楽天の記事を読んで、楽天は従業員を大切にする企業なのかな、と思いました(他の企業が従業員を大切にしていないとは言いませんが、お客さまを大切に、第一に、といった視点と比べると、従業員を大切に、といった視点は抜けがちかなと思います)。
このハーバード・ビジネス・レビューの記事は、マンチェスタービジネススクールの教授が書いているのですが、この人の”Corporate Reputation and Competiveness”という授業を今学期に受講予定です。ちょっと楽しみです。

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