リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間

リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間
高野 登
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リッツ・カールトンには一度も泊まったことがありませんが、こういう本を読んでしまうとぜひ一度泊まってみたいなぁ、と思います。でも、相当なお値段なんでしょうね。
それはさておき、いかにお客様のことを第一に考え、お客様のニーズを満たすためにはどうするべきかを徹底的に考えている様子がわかります。そして、それを実行しやすいような環境をきちんと整えているようです。

私たちはいつもお客さまに幸せな気持ちになっていただきたいわけですから、たとえレストランを開けるのが物理的に不可能であっても、たんにお断りするのではなく、他に選択肢を考えるのがプロとしての腕の見せ所なのです。 P.22
大切なのは、お客様にとって一番良い解決方法は何なのかと考えたときに、躊躇なく最善の方法が選べる環境を整えること。二千ドルの決裁権は、そのために与えられたものです。 P.125

たまに(しばしば?)、問答無用で「それは無理です」とか、「そのような対応はできません」とか、いった対応をされるところがあります(特にUKには多い気がします)。そういうことではないんですよね。
 

クレドとはリッツ・カールトンの理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観であり、時流や地域性に左右される性質のものではないのです。
 よく誤解されているのですが、クレドはマニュアルではありません。マニュアルは従業員の言語や文化的背景、あるいは教育レベルが多様化しているアメリカ社会で発達したもので、いうなれば頭で理解させて守らせるルールです。
 一方、クレドは心で納得して実践するものです。同じ感性と価値を共有した人が本当に心からクレドに納得していれば、マニュアルのように細かい決まりを定めなくても、自然に同じ振る舞いができるというのがクレドの基本的な考え方です。 P.45
 クレドは「感性の羅針盤」のようなものです。現場で問題に直面したときや、お客様のさまざまなライフステージに立ち会うときなどに、その従業員の行動指針がクレドカードを読み解くことによって示されるのです。さらにその感性を全従業員が共有することで、ぶれない方向性が保たれます。 P.69

有名なクレドに関する説明です。この全従業員で共有するというのが、本当に難しいんだと思います。でも、それを達成している企業というのはむちゃくちゃ強いんでしょうね。

あとで本人がメモを受け取ったときに感じる喜びは、口頭で伝え聞いたとき以上のものがあるはずです。 P.81

「ありがとう」のメッセージを口頭ではなく、あえて紙に書くようにしているそうです。こういったことをルール化しているんですね。

初代社長のシュルツィは、ことあるごとにこう言っていました。
「感動を偶然や個人の能力だけに頼ってはいけない。サービスは科学なのだから」
これは、感動は同じ価値観によって支えられ仕組みによって生み出されるべきで、運がよければ感動を体験できるという状況ではいけないという意味です。 P.113

個人に左右されるのではなく、いかにそういった仕組みを作っていけるかが重要だと。なるほど。

企業が犯す最大の罪は、従業員にビジョンなき仕事をさせることだ、とはリッツ・カールトンの創立者、ホルスト・シュルツィの言葉です。 P.153

今の年収の五パーセントを投資するというのは、現在のキャリアを維持するために必要な投資。それに対して自分自身を磨き、より高みの成功に導くためには、まず目指す収入目標を明確にすること。いまの年収五百万円を倍にすると決めたら、一千万円の五パーセントである五十万円を自分の成長のために、今投資をするということなのです。 P.167

この本、いろいろと参考になりました。

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