VCICを通じて学んだこと

先日参加してきたVCICを通じて学んだことを書いてみたいと思います。今までコーポレートファイナンスの世界しか知らなかったので、アントレプレナーファイナンスというか、ベンチャーファイナンスというか、こちら(あちら?)側の世界は知りませんでした。
ちなみに、今日の話はちょっと専門的かもしれません、、、
まずベンチャーキャピタルファームの役割ですが、ベンチャー企業に資金を提供することです。上場企業であれば、機関投資家だったり、個人投資家だったり、外国人投資家が公募(および私募)などの際に資金提供をすることができますが、未上場のベンチャー企業の場合はなかなか資金調達手段がありません。そこで、ベンチャーキャピタルファームがビジネスプランからそのビジネスを判断して、(主に)エクイティファイナンスという形で資金提供するわけです。
ベンチャー企業は成長ステージに応じて5段階に分けられるようです。開発ステージ、スタートアップステージ、成長初期ステージ、急成長ステージ、投資回収ステージの5つです。以下は、ざっくりの説明(そもそも厳密な定義はないかもしれません)です。
開発ステージ
ビジネスプランはあるものの、まだ実際には特に動き出していない状態
スタートアップステージ
ビジネスに必要な設備や人員の確保を開始し始めた状態
成長初期ステージ
売り上げが発生し始めているものの、いまだ利益を上げるには至っていない状態
急成長ステージ
ブレークイーブンに到達し、ビジネスが急成長している状態
投資回収ステージ
成長率は鈍化し、キャッシュフローが発生している状態
もう少し大まかな分類としては、アーリーステージ、レイターステージといった言い方もあるようです。また、資金調達の面からは、シード、1st ラウンド、2nd ラウンド、といった言葉を使って表現するようです。
いずれにしろ、どんな企業も何もないところから生まれていくわけで、今ある大企業は昔はどこかの起業家が始めたわけです。
このような生まれたての企業のバリュエーションをどのように行うか、というのが一つのポイントです。
DCF法
レイターステージの企業で、きちんとキャッシュフローが発生している場合にはコーポレートファイナンスの場合とほぼ同じようにDCFを使うことができるようです。ただし、永久成長率の部分は、スタートアップだからといって10%とかそのような数字を入れてしまうととんでもないことになりかねません。そこで、エグジットのバリューは、マルチプルなどで評価するのが一般的なようです。メジャーなものとしては、P/E (PER) および EBITDA があり、ベンチマークと比較してエグジットのバリューを決定するようです。他にも売上高/時価総額倍率などを使うこともあるようです。このDCF法ではNPVを計算するというよりは、IRRを計算して期待リターンが得られるかどうかをチェックするという形で使うようです。
ベンチャーキャピタル法
上記のDCF法で、エグジット時点のバリューのみに着目して評価するのがベンチャーキャピタル法と呼ばれるものです。例えば、5年後の当期純利益が5億円、P/Eが15倍だとすると、この企業は5年後において75億円の価値があると評価できます。これを期待リターン(例えば50%)を使って現在価値に割り引くことによって、この企業の評価は
75億円 / (1 + 0.50)^5 = 9.88億円 (Post-money valuation)
となります。もし現在においてベンチャーキャピタルが2億円投資して、上記の価値を実現できるのであるとするならば、
2億円 / 9.88億円 = 20.2%
がベンチャーキャピタルのエクイティの持分になるのが妥当だと評価できるわけです。ちなみに、
Pre-money valuation + 出資額 = Post-money valuation
という関係式があります。専門用語というだけで特に難しい概念ではありませんが。
Comparable
これは不動産で言うところの取引事例比較法のようなものだと考えるとわかりやすかと思います(わかりにくいですか?)。取引事例比較法では似たような物件の取引事例を探してきて、あの物件が4000万円で取引されたんだから、この物件は3800万円くらいが妥当だろう、といったロジックで価格を決めていくものです。シードファンディングの場合、キャッシュフローどころか、売り上げすら発生していませんから、このComparable が主に使われているようです。日本語だと類似会社比準方式とかいう名前がついている気がします。
とりあえずベンチャー企業の成長ステージと主なバリュエーションについて簡単にまとめてみました。

4 件のコメント

  1. Kenichi 返信

    こんにちは。
    マンチェスターの総合情報掲示板サイト、Manchester Board の管理人です。当サイトでは現在、マンチェスター関連のブログの相互リンクを募集しています。yokokenさんのブログは、これからマンチェスターで生活する人や、マンチェスター大学でMBAの取得を考えている人の参考になると思うので、当サイトに紹介させてもらってもよろしいでしょうか?急なお願いで申し訳ございません。

  2. yokoken 返信

    初めまして。
    リンクのご依頼ありがとうございます。もちろん紹介して頂いて構いません。少しでもお役に立てるのであれば幸いです。
    Manchester Board は渡英の際に参考にさせて頂きました。きちんと書かれているのでとても参考になりました。
    Manchester Boardへはブログの「リンク集」というカテゴリの中でこちらからリンクさせて頂いておりますが、トップページのリンク集からリンクした方がよろしければそのように変更させて頂きます。

  3. Kenichi 返信

    ご返事ありがとうございます。さっそくリンク集にて紹介させていただきます。当サイトへのリンクは、トップページでなくても構いません。
    これからも、よろしくお願いします。

  4. yokoken 返信

    早速のリンクありがとうございます。
    今後ともよろしくお願い致します。

yokoken にコメントする コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です