金融業界にいると、製造業の方がどんなことを考えながら業務を行っているのか全くわかりません。ということで、少しは理解することができるかと思って、読んでみました。
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
エリヤフ ゴールドラット 三本木 亮
TOC(Theory of Constraints = 制約条件の理論)の提唱者本人による小説で、本の帯に書いてある通り「読み進むうちに、TOCの原理が自然に頭に入る!」というのは本当だと思いました。工場でプロセスを改善しようといろいろと試行錯誤している様子や、子供の遠足に付き添ったときに、どのような要素が子供たちの列全体の進行のスピードを決定しているかを考えている様子などから、自然とTOCの考え方が理解できた気がします。
簡単に言うと、全体のプロセスの進行速度を決定付けるボトルネック(昔化学の勉強をした時に出てきた律速段階だと解釈しています)を見つけ、その直前において適切な在庫を保つことによって、最も効率的に利益を上げてゆくことができる、といった内容でしょうか(ちょっとはしょりすぎでしょうか?)。別の言い方をすれば、局所最適ではなく、全体最適を行う際にどのように考えていけばよいか、といったお話だと思います。
TOCについての詳しい説明は例えばTOC 制約理論のひろばのサイトなどに譲りますが、この考え方そのものはかなり応用力が高いのではないかという印象を受けました。
製造業に限らず、金融の世界でもいろいろと役に立つような気がします。実際の業務でもこのような考え方を応用していけたらよいと思いました。
なるほど、物事の考え方の順序だての参考になりそう
ですね。
私は、プログラマーですが依頼主の要求を聞いてそれ
をシステムに落とし込むプロセスに役立てる事が出来
るかもしれないなと思い、本を注文してみました。
相手の要求に対して素早く的確に実現するには、物事
の本質を見極めなくてはならない。
システムを開発するときは、あれもこれも盛り込みた
い機能が膨らみすぎて優先順位があいまいになりがち
になります。
時間的制約の中で、顧客の要望に素早く対応するには
顧客の説明の表面的なニュアンスだけでシステムを
開発してしまうのではなく、その説明から、もう一つ
奥にある、本質をきちっと捉えるスキルが必要だと
感じていました。
ザ・ゴールを読んで何かヒントがつかめればなと期待
しています。
システムを開発されるときは、顧客の本当のニーズを把握することが最も大切なんだと思います。これはシステムに限らず、コンサルティング的なお仕事をされている方には共通のことかもしれませんが。
やはり顧客自身が実はあまり問題点を把握していなかったり、顧客が勘違いしていることもしばしば起こるのではないでしょうか。
ザ・ゴールはある工場を舞台にした製造業のお話ですが、その根底にある考え方はいろいろな場面で使える気がしました。
まだ読んでいませんが同じ著者による以下のような本もありますよ。
ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス
エリヤフ ゴールドラット 三本木 亮
チェンジ・ザ・ルール!
エリヤフ・ゴールドラット 三本木 亮
クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?
E・ゴールドラット 三本木 亮