この本では、コミュニケーションの不調和から発生するストレスを解消するために、対話力向上のメソッドとして、マッピングコミュニケーションという著者が考案した方法を紹介しています。
ストレス知らずの対話術 (PHP新書)
齋藤 孝
名前からマインドマップのようなものものだという印象を受けていましたが、どうやら多少異なるようです。三色ボールペンを用意して、赤(すごく大事)、青(まあ大事)、緑(主観的におもしろい)という具合に使い分けながら、話者がキーワードを紙に書いていく、というものです。そして、キーワード間でつながりのあるものは線や矢印で結んでいくようです。
こういう技法って自分は理解していたとしても、相手が同じ知識を持っていないと、なかなか実践していくのは難しい気がします。でも、著者は20年来実践しているとのことなので、まわりの人を巻き込んでうまくやっていくことも可能なのでしょう。企業の研修などで取り上げて、やり方を教えてもらいながらその場で実践、なんて形であれば同じ程度の知識を持つわけですからその後も比較的活用しやすいかもしれません。
マッピングコミュニケーションはあくまで「ストレスを減らすための手段」なわけですが、ストレスを解消し、コミュニケーション向上のためのポイントしていくつか載っていましたの、以下、参考まで。
人が話しているときに、話題を変えるのは反則行為だ。基本的にやってはいけない。話題をずらしていくのはまだいい。それでも徐々にずらしていくべきだろう。(P.40)
「聞き上手な人」は、相手の言葉に適切なレスポンスを返し、相手に喜びを与える。(中略)「話し上手な人」は、相手の興味のツボを押さえ、フォーマルな場でも個人的な体験を織り交ぜながら話せる。けれど、マッピングコミュニケーションが目指すのは、聞き上手にもなり、話し上手にもなることだ。(P.108)
(会社の会議では)座る場所が決まっていることは秩序の維持につながるが、これは円滑な会議やコミュニケーションを妨げる大きな要因にもなっている。(P.128)