最近ニュースを引用してばかりですが、今日もまた目に付いたニュースがあったのでご紹介します。
北海道の「森オーナー制度」、満期93%元本割れ
2007年09月22日03時02分
北海道の公共林に出資し、収益を受け取る道の「北ぐにの森オーナー制度」をめぐり、満期契約者の93%が元本割れし、3人に1人は6割程度しか回収できなかったことが朝日新聞の調査でわかった。制度は86年度に始まったが、木材価格が下落したにもかかわらず、元本保証しないことをパンフレットに書かないまま募集を継続。集団訴訟の動きがある「緑のオーナー制度」の募集を国がやめた翌年の99年度を最後に、ようやく道も募集をやめていた。
もとの記事および続きはこちらから。
http://www.asahi.com/national/update/0921/TKY200709210343.html
そもそも、元本保証しないことをパンフレットに書かずに募集、ってそんなことありなのでしょうか。(法律的には)いわゆる金融商品の枠組みに入らないのかもしれませんが、出資者(投資家)にきちんとリスクとリターンを説明せずに募集するなんてのはいかんと思います。
逆に投資家側としても、投資する際はリスクをきちんと理解できるまでは投資するべきではないと思います。もちろん、「寄付したつもり」くらいの気持ちであればよいのですが、「元本保証の利子が高めの預金」なんて認識だったら大変です。
道の担当者は「木材価格がこんなに下がり続けるとは予想しづらかった」「苦情は聞いていない。森林を守る制度に参加した、と理解いただいていると思う」と話す。
担当者の予想が当たるかどうかによって償還額が決定されるのであれば、これはまさにファンドですよね。今後、苦情が出なければよいのですが。
上のニュースでも触れられていますが、北海道だけでなく国も同じようなことをやっています。
林野庁「緑のオーナー制度」で元本割れ・リスク示さず
国有林の育成・管理に個人や団体が出資する林野庁の「緑のオーナー制度」で、ほとんどの出資で元本を割り込んでいることが3日、わかった。輸入木材の増加で国産の市場価格が下がったことが影響した。公募を始めた1984年度から約9年間、元本割れリスクの説明をせずに出資を募っており、同庁は「当初は(元本割れを)想定していなかった」としている。
同制度は、出資者が国と国有林を共同保有し、そこで伐採したスギやヒノキなどの販売収益が分配される仕組み。出資額は一口当たり50万円で、98年度までに延べ8万6000の個人・団体から出資を募った。調達額は計500億円にのぼるとみられ、赤字の続く国有林事業に充当されてきた。(20:28)
こちらも、「当初は(元本割れを)想定していなかった」とか言ってますが、その程度のリスクも予想できないような人が商品を開発して供給してしまっていた(今は改善されていると信じています)というのは、どんな世界なのでしょうか。
当たり前のことを当たり前にやるということはなかなか難しいんですね。年金の例を見てもそれは明らかです。