日本でいちばん大切にしたい会社
坂本 光司
久しぶりに本の紹介です。
最近、会社とは一体何のためにあるのだろう。どういったプライオリティで会社はビジネスをやっていくべきなんだろう。会社は誰のためにあるんだろう。
なんてことを考えることがしばしばあるのですが、この本はまさにそれに対する一つの答えを提示してくれている、と思いました。
「企業は社会みんなのものである」という根本原則を忘れ、社会の公器としての責任や使命をないがしろにしている会社は、結局壊れていくのです。
会社経営とは「五人に対する使命と責任」を果たすための活動
一、社員とその家族を幸せにする
二、外注先・下請企業の社員を幸せにする
三、顧客を幸せにする
四、地域社会を幸せにし、活性化させる
五、自然に生まれる株主の幸せ
この著者は、利益(株主価値)は、一から四を幸せにした結果、ついてくるものであって、五そのものを目的と考えるのは間違いであると述べています。
確かに、利益を上げることは民間企業としては必要なことではあるけど、一から四を犠牲にしてまで重視すべきことなのか、ということなのでしょう。
会社は、売上げを上げるために、利益を上げるために存在しているのではありません。
本当に必要とされ、社員たちも誇りをもって働くことができる、その結果、みんなが幸福を感じることができる、そんな会社になるために存在しているのです。
では、伊那食品工業の経営理念にはなんと書いてあるのか。
「企業は社員の幸せを通して社会に貢献すること」と高らかに謳っています。
ここでは、書籍で説明されている具体的な事例については取り上げませんが、本の中ではいわゆる大企業と呼ばれるような有名な企業ではないけれども、ステークホルダーを幸せにし続けている、超優良企業がたくさん紹介されています。
会社経営というのは、こうあるべき、という気がしました。