以前から読もうとは思っていたのですが、読めていなかった渋沢栄一の「論語と算盤」で、「超訳」という形で読みやすいバージョンが出ていたので早速読んでみました。
正しい道徳を完全なものとしながらの経済活動そしてビジネス活動でなければ、国の繁栄は成り立たない。
国の富や繁栄というものは、仁義道徳、正しい道理に根源がなければ、決して永く続くものではないのだ。(P.15)
ビジネスをやるにあたっては、やはりこういった志がなければ永くは続かないのだと思います。
常にまわりに敵やライバルがあって苦しめられ、その敵やライバルに必ず勝ってみせるぞという気がなくては、人は決して上達、進歩するものではないのだ。(P.41)
人間はやはり競争環境におかれてこそ上達、進歩するものなんだと思います。健全で適度な競争環境に身を置くことが自分を成長させる上でも重要なのだと思いました。
では常識とは何か。
私は次のように考える。
それは、何をするに当たっても極端に走らず、がんこにならず、是非善悪をきちんと見分け、利害得失をよく考え、言葉や行動もすべて中庸を心がけていくことだる。(P.92)
こういった常識を備えられるようになりたいものです。
ビジネスの本質つまり本当の利益の追求というのは仁義道徳にもとづかなければ、決して永続するものではない、とわたしは考えるのである。(P.111)
金儲けはけしからん、なんてことは一言も言われていません。ただ、金儲けが私利私欲に基づくものなのか、仁義道徳に基づくものなのか、そこが最も大切なポイントなのです。
たとえば孔子の「仁の実践にあたっては師に譲らなくてよい」という教えである。
道理の正しいところに向かっていくには、あくまで自己の主張を通してよいというのである。師は尊敬すべき人であるが、仁の実践においてはその師にすら譲らなくてよい(後略)(P.158)
仁のためなら、師に対しても譲る必要はないと。こういった価値観をきっちりと持った上で、日頃からそういった価値観を拠り所として行動していきたいものです。
どんな職業であろうと、どんな立場にあろうと、いつも自分自身の力でもって進み、正しい道に少しも反しない生き方をし、そして財を築き、繁栄をもたらしていくようにしなければならないのだ。(P.176)
まさに職業に貴賎なし、というところでしょうか。
もっと論語を深く勉強していかなければ、と思う1冊でした。
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面白そうな本ですね。
>何をするに当たっても極端に走らず、がんこにならず
耳が痛いですな。
いや、ホントに耳が痛いですよ。
この本というか、オリジナルの「論語と算盤」含めて、現代の企業経営に携わるあらゆる人にとって、とても参考になる本なのではないかと思います。
オリジナルを含めて、もう少しいろいろ読んでみようと思っています。