マイホームを購入する際に、三大疾病保障付き住宅ローンに加入する必要があるか、という点について考えてみたいと思います。
今までの投資用物件のローンの際には、団信には加入していました。投資用の場合、返済の原資は家賃収入なので、自分が働けなくなったとしても返済に困ることは基本的にないはずです(もちろん空室だったり、地震だったりのリスクはありますが)。
一方で、自宅を購入するための住宅ローンの場合、返済原資は自分の給与になるわけで、病気などで自分が働けなくなった場合に、ローンの返済が不可能になってしまう可能性もあります(ぼくの場合、そのヘッジのために不動産投資をしている側面もありますが、まだ十分ではありません)。
ということで、三大疾病保障付き住宅ローンについて考えてみたいと思います。そもそものきっかけは、先日の大家検定の忘年会の際に、保険会社で三大疾病保障付き住宅ローンの開発をされた方とお話しする機会があり、その時に加入を勧められたことです(もちろん、立場上商品を勧めるのは当たり前ですが、まともに検討せずに未加入を決めていたので、あらためて検討してみたいと思います)。
そもそも、三大疾病保障付というのは、以下のような状態になった場合に、住宅ローンの返済が免除になるという商品です。
以下、【団体信用生命保険】三大疾病保障付き比較より引用
●がん
責任開始日以降、生まれて初めてがんに罹患したと、医師により診断確定された場合。ただし、上皮内がん、皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんは対象外。
●急性心筋梗塞
責任開始日以降の疾病を原因として、急性心筋梗塞を発病し、その疾病により初めて医師の進路湯を受けた日から60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断された場合。
●脳卒中
責任開始日以降の疾病を原因として、脳卒中を発病し、その疾病により初めて医師の診療を受けた日から60日以上、言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断された場合。
例えば、具体的には以下のような形で案内されています。
三大疾病保障付住宅ローン(三井住友銀行)
3大疾病保障特約付住宅ローン(りそな銀行)
一般的には金利が0.3%程度上乗せされる形で、この「三大疾病保障」の部分についての保険料を支払う形になるようですが、これは高いのでしょうか、安いのでしょうか。
住宅ローンを1000万円、30年の返済期間で、金利1.5%で借りた場合を考えてみます。
この場合、毎月の返済額は34512円となり、総返済金額は元本部分1000万円、金利部分約242万円となります。
これに対して、三大疾病保障を付けて金利が+0.3%(つまり、1.8%で借りたことと同じ)されると、毎月の返済額は35970円となり、総返済金額は元本部分1000万円、金利部分約295万円となります。
ということで、毎月の返済額は三大疾病保障なしの場合と比べて1458円のアップとなり、総返済額は53万円ほどアップすることになります。
この保険料は高いのでしょうか、安いのでしょうか。
とりあえず、以下の保険商品と比べてみました。
特定疾病保障定期保険(東京海上日動あんしん生命)
この保険では三大疾病に加えて、死亡、高度障害状態も加わっているのでその分保険の範囲が広くなっており、保険の対象が異なる気もしますが、とりあえずの目安としてはよいのではないかと思います。
そしてこれによると、30歳男性が60歳までの30年間、保険金額500万円に対する保険料が3995円となっています。毎月約4000円です!
家を買って、30年の住宅ローンが1000万円ある場合、ローン残高は徐々に下がっていき、30年後にはゼロになります。ざっくり言って、期中の平均残高は500万円と考えてよいと思います。すると、上で試算した保険金額500万円の特定疾病保障定期保険に近いのかな、という気がします。
あくまで単純なイメージですが、住宅ローンに付けた場合の方が、割安な保険であるように見えます。
住宅ローンの場合は、もしローンを借りてすぐに三大疾病を患った場合、若いので病気になる確率も低いですが、逆になってしまった場合のインパクトは大きいはずです。一方、十分年数が経っていれば、残高もかなり減っていることでしょう。そういう意味では、いつ病気になっても一定額(例えば500万円)という保険よりは、ローン残高に比例するタイプの方がライフプラン合わせた保険と言えるかもしれません。
ただ、住宅ローン全額に対して三大疾病保障を付けるとちょっと保険料も高くなってしまうという場合は、ローンを2本に分割してそのうち一方にのみ三大疾病保障を付けることも可能かもしれません。
こうしておくと、三大疾病になった場合に残高がゼロになることはありませんが、仮に三大疾病になったとしても住宅ローンの負担はかなり減るでしょうし、一方、期中の繰り上げ返済も、三大疾病保障が付いていない部分に対して優先的に行っていくことで、保険金額を減らすことなく行っていくことができるのではないかと思います。
最終的に付ける必要があるかないかはその人の判断だと思いますが、もし上のようにローンを分割することが可能であれば一部付けておいてもいいのかな、という気はします。
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