住宅ローンを変動金利で借りたワケ

先日、住宅ローンの借り換えをしたわけですが、その時、

アベノミクスでインフレ期待もありますが、今回も変動で借りました。ぼくはどうも固定金利で借りる気になりません。そのあたりは、また次の機会に。

と書いたように、ぼくは変動金利で借りました。
これについて気になった方がいたようで、何人かの方に聞かれました。ということで、説明しておこうと思います。
変動金利の住宅ローンは、一般的に、短プラ(短期プライムレート)、もしくは長プラ(長期プライムレート)と呼ばれる基準金利に連動する形で変動します。これは、銀行によって異なりますので、みなさんのそれぞれの住宅ローンで異なるかもしれません。一般的には短プラ連動型が多いようです(ちなみに、ぼくは投資用でも借りていますが、一部のローンは長プラ連動になっています)。また、場合によっては日本国債の利回り連動なんてタイプもあるかもしれません。
さて、この短プラ、もしくは長プラですが、過去、どのように推移してきたのでしょうか。
これは、日銀のホームページに掲載されています。
http://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/prime/prime.htm/
テーブルになっていますが、グラフにした方が見やすいので、グラフにしてみました(クリックで拡大します)。
tanpurachopura.jpg
これを見ると、よくわかりますが、1966年以降の50年近くの推移を見ると、高度成長時代の金利が高かった頃には大きく変動していたものの、失われた20年などと呼ばれている最近20年程度はかなり安定的に推移していることがわかります。
特に、1996年以降に限ってみると、短プラは最高で1.875%、最低で1.375%というせまいレンジで推移していることがわかります。
まあ、過去にこうだったから、今後もこうなる、という理屈が通らないことは十分理解しているのですが、そうかと言って、こと短プラに関して言えば、今後すぐにガンガン上がっていくか、というとそうではないと考えています。
銀行の方に話を伺った際には、
「中小企業は短プラをベースに借りていますから、もし短プラが上がったりすると、みんなつぶれちゃいますよ」
ということをおっしゃっていました。
金融モラトリアム法案がいよいよ終了となり、ただでさえ資金繰りが厳しくなると言われている中、短プラが上がり始めたら、日本経済は大変なことになってしまうと思われます。
ということで、住宅ローンの変動型も、そう簡単には上がらないのでは、という気がしているのです。
とは言うものの、変動の1%を下回る水準で借りていたとしても、常に、金利がある程度上がったら、どのくらいの返済金額になるか、というのは把握しておき、十分返済可能なローンを組むべきだと思います。
仮に、4000万円を30年、金利1%で借りたとします。すると、毎月の返済額は、128655円となります。
これで、金利が3%へ上昇したとすると、168641円と、約4万円アップすることになります。このくらいになったとしても、まあ、なんとかなるかな、というくらいの余裕を持ったローンを組んでいれば、金利上昇局面を迎えたとしても、決して慌てる必要はないと思います。
しかも、住宅ローンの場合、通常、金利が上昇したとしても、5年間は返済額が一定になり、返済額のうち、金利の割合が高まるかたちになるだけです。5年間の間にできるだけ貯めておき、繰上返済をこまめにしていけば、それほど心配する必要はないのではないかと思います。
さらに、5年後に返済額が上がるときも、通常は最大でも1.25倍にしかなりません。先ほどの128655円の場合だと、160818円になるわけです。この5年間はこの金額になるわけですから、その間、またせっせと繰上返済を行えば、けっこう返していけるのではないかと思います。
結局は、最初に、あまり背伸びをして借りるのではなく、自分の収入に合わせて、余裕を持って(例えば、返済額が1.5倍くらいになったとしても、なんとかやっていけるような)ローンを組んでおけば、必要以上に不安に感じる必要はないのではないかと思います。
ということで、少し、ダラダラと書いてしまいましたが、ぼくは住宅ローンは今は変動で借りておき、返済額が少ない分はできるだけ将来繰上返済にまわすべく貯めておく、というのがよいのではないかと考えています。

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