事前に家系図や家紋などを確認したら、実際にお墓を買うというのはどういうことなのかを理解しておく必要があります。
最近では埋葬の方法も多様化してきており、必ずしもお墓ではなく、納骨堂のようなところだったり、海への散骨など選択肢も増えてきているのが事実です。ただ、子孫への負担が発生するものの、お墓参りをしてご先祖様に感謝するという行為も大切なことなのではないかとあらためて思いました。
ということで、お墓を買う、という選択肢を今回は選んだ訳ですが、お墓を買う、ということは普通に考えれば、毎年お墓参りをする、ということであり、やはり立地が重要になってきます。お墓参りをするのに、片道3時間とか、半日かかるとかだと、なかなか気が進まなくなってしまいます。
そういう意味で、自宅から近いところ、もしくは、交通の便がいいところ、というのが重要になってくるかと思います。
お墓は一度買うと少なくとも何代かは使うものです。”自宅”というのは必ずしも固定されているわけではありません。自分たちも引っ越してしまうかもしれないし、子孫もどこに住むことになるかわかりません。そういう意味で、やはり交通の便がいいところ、というのは重要かと思います。今回、自宅から30分ほどの場所に買いましたが、やはりこれくらいの距離だとかなり行きやすいです。
予算が一定の場合、都心の狭いお墓か、郊外の少し広めのお墓か、ということで迷うことになりますが、後で紹介するような本に書かれているような、「少なくとも4㎡」なんてお墓は、郊外の墓地にしたところで買うことはまず不可能でしょう。郊外で最寄り駅からバスで15分とか、そういったところであったとしても、1㎡もいかないくらいの区画が多く、だとしたら都心で便利なところに半分くらいの大きさの方がよほどいい気がしました。都心であっても、小さいものであれば墓石代を含めて100万円を切るものからあり(これは本当に小さいですが)、2倍、3倍くらいの大きさにしても、郊外のお墓と金額的には大きくは変わらないものが多い印象でした。
ちなみに、今回、墓地を9カ所ほど(都心5カ所、郊外4カ所)見学し、最終的に決めましたが、不動産と同じで、やはり実際に現地をたくさん見た方がいいと思います。いろいろ見ると、いい点、悪い点などが明確になってきますし、自分に合う、合わない、というのがハッキリしてきます。
立地の次に決めなければならないのが墓地の種類(寺院墓地、公営墓地、民営墓地)かと思います。寺院の檀家となるか、公営墓地の抽選に応募するか、よく広告のチラシなどが新聞に入っているような民営の墓地にするか、です。
檀家になるというのは、そのお寺にずっとお世話になることになるので、法事の際にその都度誰に相談しよう、などと考えなくてよくなるので、そういう意味では楽だと思います。一方で、檀家になると、お寺によっては「お気持ちで」と言われてお布施をいくら包んでいいのかわからない、山門の修繕費を寄贈して欲しい、などといろいろ困るという話も場合によってはあるようなので一長一短ではあります。
一方、民営の霊園と言っても、完全に宗派については中立的で、何か法要がある場合にはその都度提携しているその宗派のお寺さんに依頼してやって頂くようなところもあれば、実際には特定のお寺が運営していて、実質的にはそのお寺とのみやりとりを行う、寺院墓地に近い形態のものもあります。
今回は、民間の会社が仲介しているものの、実質的には寺院墓地に近い墓地にお墓を購入しました。純粋な寺院墓地と異なる点としては、民間の会社が間に入っているので、法要の時の御布施の金額が予め決められていて価格透明性が確保されていること、そして、寺院と自分たちの間に仲介している会社が入っているので、何かあった時にその会社に相談できることが挙げられるかと思います。
とここまでダラダラと書いてきましたが、要するに、お墓を買う時は行きやすい場所に買うこと、そして、純粋な寺院墓地ではなく、民間の会社が間に入っているようなタイプの寺院墓地なんかがいいのではないか、ということでしょうか。
全体的に基本的な事項がまとまっているという意味では以下の本が参考になるかと思います。ただ、この本は淡々と説明しているだけで、本来こうあるべき、的な主張といったものは特にありません。現代のお墓事情を丁寧に説明しているといった感じです。
よくわかるお墓と仏壇 選び方・建て方・祀り方
主婦の友社
次のエントリーでは、墓石の詳細を含めて、もう少し細かいところについて書きたいと思います。