BNPパリバ、アーバンの資金調達でインサイダー取引に該当の可能性=外部検討委

パリバがアーバンと行っていたスワップ取引に関して、外部検討委員会の調査結果が発表されました。
以前、ちょこっとだけ触れましたが、世の中、やってよいことと、やってはいけないことがあるとすれば、これは後者に属すると思います。
専門家ではないので法的な解釈とかはわかりませんが、感覚的にはあり得ない、とぼくは思います。
投資家から見たら、300億調達したようにしか見えませんから。
以下、ロイターから記事を引用しておきます。

UPDATE4: BNPパリバ、アーバンの資金調達でインサイダー取引に該当の可能性=外部検討委
2008年 11月 12日 00:38 JST
 [東京 12日 ロイター] BNPパリバ証券東京支店が経営破たんしたアーバンコーポレイションの資金調達を引き受けた際の問題について調査していた外部検討委員会(委員長:松尾邦弘・元検事総長)は11日、調査結果を発表した。検討委は、パリバが同社しか知り得ないアーバンに関する重要な事実が存在し、それを開示しないよう働きかけたと推測されることを問題視したほか、スワップ取引はアーバンの株式の投資判断を行う上で「重要な情報」と判断。こうした重要な情報の存在を知りながらアーバン株をヘッジ取引していたパリバの行為は、金融商品取引法が禁じるインサイダー取引に該当する「可能性は否定できない」と指摘した。
 パリバの検討委は当初、11日午後の会見で配布した資料で「当該情報を知りながらヘッジ取引を行っていたBNPパリバ証券東京支店の行為は、インサイダー取引に該当する可能性が高いと考えている」と記していたが、同日深夜「インサイダー取引に該当する可能性は否定できないと考えている」に表現を訂正した。
 <スワップ取引によりアーバンの調達額が変動、投資判断で重要な情報>
 検討委は、スワップ取引の存在によって、アーバンが調達できる資金の額が変動するということにおいて、「アーバンの株式に関する投資判断を行う上で重要な情報であると判断する」と指摘した。
 具体的には、アーバンがパリバとの間で、資金調達と同時にスワップ取引を締結したことから、1)アーバンはCB発行で300億円を調達するものの、いったんパリバに交付され、その返還としてアーバンは資金調達できるにすぎない、2)その返還時期はアーバンの株価に影響されるため不確定なこと、3)その返還金額はアーバンの株価に連動するため、株価が下がった場合は全額が返還されない(アーバンは300億円を調達できない)可能性のあること──などの点が、アーバンの株式投資判断を行う上で、投資家にとって重要な事実だとしている。
 検討委は、最終的にインサイダーに当たるか否かは「該当性を判断する立場にない」と結論づけた。会見で松尾委員長は、パリバにはインサイダーの可能性があるとの判断を下したものの、検討委には検察のような調査権限がなく、社会的制裁を下す場合は、当局の判断に委ねる意向を示した。
 松尾委員長は「われわれは(パリバの行為が)形式的に(インサイダーに)該当すると判断している。しかし、売買は極めて機械的に行われており、インサイダーに当たっても、必ずしもその可能性が高いとは言えないのではないか」と述べた。また、違法性を認定するかなど「社会的制裁を課すかについては、事例の動向や取り締まりをする機関の動きを見る必要があり、(この外部検討)委員会が決めつける言い方をするのは避けたい」とし、最終的な判断は金融当局などに委ねた。
 <スワップの非開示、パリバが働きかけたと十分推測できる>
 アーバンは今回問題となったパリバを引受先とする資金調達に伴い、パリバとの間で締結したスワップ取引を開示しなかったが、これについて検討委は、スワップ契約を非開示にしたのは、パリバが非開示を働きかけたためと十分推測できる、と指摘した。こうした「不適切な開示を働きかけたBNPパリバ東京支店の行為はアーバンへの背信とも言うべく、一般投資家と市場を軽視した極めて不適切な行為で、この点に関する担当幹部や経営幹部の責任は免れない」と報告書に明記し、市場仲介機能を担う証券会社としての責任の重さを指摘した。
 また、パリバに対し、再発防止のための内部管理体制の強化などを提言した。松尾委員長は「パリバでは(取引承認委員会で)コンプライアンス部は出席していたが、重きを置かれていなかった」と、コンプライアンスが機能していなかったことを指摘。内部管理上、問題があったとした。
 パリバは9月、経営破たんしたアーバンの資金調達をめぐって問題が提起されていることを受け、第三者による外部検討委を発させ、資金調達に関する契約や付随する取引、事務執行の状況について調査した。
 委員会のメンバーは、松尾邦弘・元検事総長(松尾邦弘法律事務所弁護士)、小澤徹夫・弁護士(東京富士法律事務所)、中島茂・弁護士(中島経営法律事務所)、舩橋晴雄・元証券取引等監視委員会事務局長(シリウス・インスティテュート代表取締役)、長友英資・元東京証券取引所常務(ENアソシエイツ代表取締役)の5人。
 アーバンの資金調達をめぐっては、いくつかの問題が指摘されていた。
 アーバンは今年7月、パリバを引受先に300億円の新株予約権付社債(CB)を発行したが、同時にパリバとスワップ契約を締結。実際にアーバンが調達できた資金は300億円ではなかったことが破たん後に明らかになり、開示上問題があったとの指摘が上がった。
 また、パリバがこの間にアーバンの株式の売買を行っていたことも「極めて不透明な取引」との指摘が出ていた。
 金融庁は11月7日、アーバンの臨時報告書の虚偽記載で、課徴金150万円の納付命令を決定したと発表。アーバンは虚偽記載の事実を認めた。
 検討委の会見後、BNPパリバ東京支店の安田雄典・日本代表が会見し、経営陣や担当者の処分を「速やかに行う」と述べたが、具体的な内容に関する言及はなかった。会見では処分内容について再三質問が出たが、プライバシーの問題上、処分の対象となる人物や内容は開示しないとの姿勢を繰り返し示した。
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(ロイターニュース 江本 恵美記者)
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http://jp.reuters.com/article/stocksNews/idJPnTK021149620081111

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