とりあえず6日分の旅行記もアップし終わったので、最後に「買い物編」と題して、マラケシュでの価格交渉についての事例をまとめておきたいと思います。
宿、インターネットカフェ、現地ツアー、フナ広場の屋台などでは基本的に料金がきちんと書かれており、交渉の余地はありませんが、マラケシュのスークでは価格は基本的に明示されておらず、交渉次第でどうとでもなるようです。「ビンボープライス、ビンボープライス」とか言いながらも、現地人と比べたら、観光客向けにはかなりの値段をふっかけてきているものと思われます。今回、砂漠ツアーを通じて仲良くなった他の旅行者の方たちと、各自の買い物について当初価格、最終的な妥協価格に関して情報交換をしました。実際に買い物に行く前に、これらの実勢価格を把握しておくことが高値掴みを避ける重要なポイントではないかと思います(例えば、ある絨毯は2300DHと言われたものが、半額の1150DHで買えたそうです)。
実際、最初にどのくらいの価格が提示され、最終的にどのあたりまで下げることができたか、今回の旅行での例をご紹介したいと思います(以下ではおみやげとしてお渡しする物も含まれているため、一部指数化して表記しています)。
- ハガキ
- バブーシュ
- ミントティー(箱入り)
- ランプ
- スカーフ
- ジェラバ
このハガキ、1枚5DHと明確に価格が書かれていました。それを承知で、交渉の練習と思って価格交渉してみました。3枚で15DHのところ、「5DHでどうだ?」と聞いてみたところ、「無理無理、、、」と言いながらも、1枚おまけでつけてくれました。ということで、1枚5DHから4DHへ、20%割引してもらうことに成功しました。
まずいろいろ説明を受けました。マシン(機械)で作られたものか、ハンドメイドのものかで価格はまず異なり、さらにハンドメイドのものでも、外側のみならず内側にもステッチが入ったものはかなりクオリティが高いものであるため、価格が高くなると。それを踏まえたうえで、ぼくらが買ったのは内側にもステッチが入ったものだったのですが、2足買うことを伝えたところ1足あたり100(実際の価格ではなく、指数です)であると言われました。
地球の歩き方に載っていた価格のレンジを念頭に置きながら、しぶとく交渉したところ1足あたり55(指数です)まで値下がりしました。ということで、当初の提示価格と比べて45%引きになりました。
このお店では、値引きしようとしたところ「うちはベルベルのお店だから、いつもデモクラティックプライスを提示していて、アラビックのお店と違って大きくは値引きできない」と言われました。そんなこと言われても、こちらからしてみたら、ベルベルとアラビックの違いはわかりません。
当初、1箱100(実際の価格ではなく、指数です)であると言われました。3箱購入する意志があることを伝え、交渉したところ最終的には1箱あたり71まで下げてくれ、さらに小さなおまけを2つ(ベルベル?の口紅と、あかすりのようなもの)つけてくれました。
ということで、29%引き+アルファにはなりました。
ランプは3店舗ほどで価格を聞いたのですが、当初の提示価格は160DH、180DH、200DHとバラツキがありました。最終的に160DHと提示してきたお店で買うことにしたのですが、提示価格が安かったために当初考えていたものより一回り大きめのものを買うことにしました。ということで、スタート価格は180DHでした。このお店は良心的な価格を提示していることを多少自覚しているようで、大きくは値引きできない、と言うものの、最終的には140DHまで下げてくれたので、22%ほど値下げしてくれたことになります。
ちなみに、当初180DHと言ってきたお店では、「おまえはいくらくらいで買いたいんだ?」と聞かれたときに、「30DH」と答えてみたところ、その後は完全にそっぽを向かれ、交渉の余地はなくなりました。あまりに低すぎる額を言うと決裂するようです。
これは当初1つあたり180DHと言われたのですが、2枚買うことにして1枚あたり140DHまで下がりました。ということで、22%引きになりました。
モロッコで日常的に着られている衣服です。クオリティにもよると思いますが、当初の提示価格で500DH~1200DH程度でした。500DHのものは200DHまで下げてくれましたが、結果的にはこのお店では購入しませんでした。
たまたま見つけたあるお店では、すべての価格が明示されており、交渉は一切しませんと書かれていました。ところが、この価格がかなり良心的に設定されており、安いもので100DH程度からありました。ちょっと大量に買う必要があったので、970DH分購入したのですが、この大量購入が効いたのかこの店でも870DHに値下げしてくれました。この店の割引率は10%程度ですが、そもそもの価格がかなりまっとうなものだったので、個人的にはかなり満足度の高い買い物となりました。
ということで、以上の事例からもわかるように、当初価格の3割~4割程度は十分に値引き可能です。今回の経験から、もし次回マラケシュで交渉するとしたらどのように臨むかを考えてみると次のようになるかと思います。
- 複数の店で当初の提示価格を比較
- 最も安い店で交渉を開始
- 自分が満足できる価格であれば購入
同じ商品を複数の店で売っている場合は、2~3店くらいでとりあえず「おいくら?」と聞いてみます。そして、そこで止めておきます。さらなる価格交渉に入ってしまうと、途中で抜け出しにくくなるので当初価格を聞くのみにしておくのがよいかと思います。
当初価格で最も安い価格を提示してきた店で交渉を開始します。たいていはむこうが「いくらだったら買いたいんだ?」と聞いてくるので、提示価格の4割~5割程度の価格をとりあえず言ってみるのがよいかと思います。そこから本格的な価格交渉開始です。
自分のビッド価格にいつまでもこだわると結局購入することはできませんし、現地人に対してはもっと安いに違いないとか思ってしまっても、購入に至ることは難しいでしょう。自分がある程度納得できるなという価格であれば適当なところで妥協するしかありません。現地人価格と比べたら高いかもしれませんが、日本で輸入雑貨のお店とかで買うことと比べたら、それでも現地で買う場合はかなり格安になっているはずです。
交渉が破談になったとしても失うものはほとんど何もありません(同じようなものを売っている店はいくらでもあります)。思い切って、大胆に、強気で交渉していくことが成功の鍵かと思います。「ビンボープライス」とか言ってきた店に対しては、「アイムビンボー、プリーズ ディスカウント モア」とでも言ってやりましょう。
そういえば、もう6年くらい前ですが、北京に行ってあやしい掛け軸を買った際もこんな感じで交渉しながら買いました。当初価格の半額くらいで買った気がします。それでも、お店側としては十分に利益が出る水準だったんでしょうね。