ブルドックソースの件について

最近の日本の証券市場の話題と言えば、ブルドックソースvsスティール・パートナーズの件かと思いますが、けっこうすごい事になってますね。ついに防衛権の発動ですか。

ブルドック買収防衛策、11日発動・スティールは最高裁へ抗告
 ブルドックソースは11日、米投資ファンドのスティール・パートナーズに対する買収防衛策を発動する。ブルドックが全株主に無償で発行した新株予約権の効力が同日発生するためだ。予約権を使った防衛策の発動は国内初となる。
 防衛策はスティールがブルドックに対して実施しているTOB(株式公開買い付け)への対抗措置。スティールが取得する予約権は権利行使できず、予約権1個につき当初のTOB価格の4分の1に当たる396円で買い取る。総額は約23億円。スティールの持ち株比率は約10%から3%弱に低下する。
 一方、スティールは10日、ブルドックの買収防衛策差し止めを認めなかった9日の東京高裁の決定を不服として最高裁へ抗告を申し立てた。ブルドックの新株予約権が株主平等原則に反するとの主張を改めて訴える。高裁で「濫用(らんよう)的買収者」と認定されたことも争う考えだ。(23:18)

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070710AT2C1002S10072007.html
「濫用的買収者」って、「エッ?そうなの?っていうか、何それ?」と思ったのはぼくだけでしょうか。実際、この高裁決定ってなんて書いてあったんですかね。日本にいたら日経新聞の紙面とかに載ってるかと思いますが、こちらだと日経のサイトにも載ってないので、ブログとかで断片的にしか読めてません。
例えば、ITAKURASTYLE 「高裁決定の要旨について」からは、

「短中期的に対象会社の株式を対象会社自身または第三者に転売することで売却益を獲得しようとし・・・」

とか、ブルドック事件・高裁決定を読んだ後で からは、

「真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、もっぱら当該会社の株価を上昇させて当該株式を高値で会社関係者等に引き取らせる目的で買収を行うなどのいわゆる濫用的買収者」・・・「このような濫用的買収者は株主として、差別的な取扱を受けることがあったとしてもやむを得ない」

などの情報がありました。おそらく上の二つの高裁決定は同じことを言っているんだと思います。
法律的な解釈とかは素人なので、勝手なことを言いますが、裁判官ってスティール・パートナーズの行為をなんか勘違いしてるように思えるのはぼくだけでしょうか。
「もっぱら当該会社の株価を上昇させて」って、そんな簡単に株価って上昇させられるんですかね。相場操縦ってことでしょうか。それとも、風説の流布?
「当該株式を高値で会社関係者等に引き取らせる」ってあたりもよくわからないです。
株式市場なんて自分とは関係ない、とかって思っている方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれませんが、実は年金の加入者であれば誰もが関係しています(以下の引用記事参照のこと)。年金の4割弱は国内外の株式で運用されています。選挙と違って、自分の意志を表明する機会も与えられないまま、将来受け取るであろう年金の4割近くは株式に投資されているわけです。
自分の資産であれば、預金、債券、株式、不動産、など自由にポートフォリオの構成を変更できますが、年金ばかりはいくらリスクを取りたかろうが、取りたくなかろうが、株式等のリスク資産に投資していることになります。
その株式市場で、現在大変な事件が起きているわけです。
これは注目せずにはいられません、、、

支払った公的年金は誰が運用してるの?
7月08日 16時07分
 不祥事が次々と明らかになる中「社会保険庁に大切な年金を預けられない」と思った方も多いかもしれません。しかし社会保険庁は年金個人情報を管理していますが、年金積立金の運用は行っていません。国民の財産を預かる重責を担うのは誰でしょうか?
(中略)
 年金の掛け金は社会保険庁を通じて管理運用法人に運用寄託されます。管理運用法人は一部の国内債権の直接運用を除いて投資顧問会社や信託銀行といった民間運用機関へ運用寄託します。このような流れを経て国内・国外の債券市場・株式市場へ投資された資金が運用益を生み出すことによって、厚生年金と国民年金は成り立っているのです。
 年金局のホームページを見てみると、過去と最新の運用状況はもちろんのこと、寄託された運用機関名。どこの運用期間がどの様な種類の運用を任されいくら資産を増やしたか(減らしたか)といった情報がかなり細かく公開されています。
 これを見ると実に多くの運用機関とファンド(投資信託の様なもの)に分散投資されていることがわかります。また、海外資産へも25%以上投資されています。「外貨は為替リスクが怖い」「株なんかやったことがない」と言う人も、年金保険料を払っている人ならば、知らず知らずのうちに敷居が高いはずの外国株式投資をやっていることになります。
  数十年間という運用機関を念頭に計画的に投資されている資産ですから公開されている数年間の運用実績に一喜一憂する必要は無いのかもしれませんが公的年金に加入している以上、その推移は注意深く見守る必要があるでしょう。
 (参考・厚生労働省年金局ホームページより)
 【平成17年3月末の委託運用資産額】
信託銀行10行33ファンド 39.2兆円(時価)
投資顧問30社46ファンド 13.7兆円(時価)
自家運用    2ファンド  5.5兆円(時価)
【平成18年度末 運用資産構成状況(ポートフォリオ)】
国内債券 50.50%
国内株式 22.72%
外国債券 10.65%
外国株式 15.21%
短期資産  0.91%
文■赤井 信文(ファイナンシャルプランナー)

元の記事は以下のリンクから。
http://news.ameba.jp/2007/07/5662.php

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