サマースクールの授業で、マンチェスターユナイテッドの連結財務諸表を見る機会がありました。
まずは基本的な情報から。
2004年7月期(現在は非上場なので、おそらく財務諸表は手に入らないと思います)の財務諸表によると、売上高(Group turnover)は169mポンド(約338億円)で、純利益(Profit for the year)は19mポンド(約38億円)でした。売上高純利益率が10%強なので、けっこう利益率の高い企業だと思います。
B/Sの方に行くと、やはり注目すべきは無形固定資産(Intangible assets)でしょう。78mポンド(約156億円)もあります。一般的な企業だと有形固定資産(Tangible assets)に比べて無形固定資産はそれほど多くないと思いますが、マンチェスターユナイテッドの場合は有形固定資産が125mポンド(約250億円)であることを考えるといかに無形固定資産が大きいかがわかります。
無形固定資産の中身は言うまでもなく、選手(player’s registrations)です。そしてこの選手の価値は車とか、建物が減価償却(Depreciation)されるようにAmortisationされていくようです。
株主資本(Equity Shareholders’ funds)は、173mポンド(約346億円)ほどです。上場廃止(2005年5月)前後に時価総額は790mポンド(約1580億円)程度だったようなので、PBRは4.5倍、PERは2004年7月期ベースで41.6倍、2005年7月期が前期に対して20%の利益成長を達成したと仮定すると34.6倍程度となるようです。割安株というのは難しいかもしれません。
ただし、2004年7月期のROEは12.4%なので、フットボールクラブの平均を知らないのでなんとも言えませんが、一昔前の日本企業と比べたらかなり優秀な気がします。
Annual Reportが手元にあるので、もう少しきちんと読んでみたらおもしろいかなぁ、と思っています。
それにしても、UKのアカウンティングって、日本やアメリカのアカウンティングとterminologyが結構違うんですね。Accounts receivable が Debtors って言葉になっていたり、バランスシートの表記方法とかかなり違っていて、流動資産、固定資産の順番ではなく、固定資産、流動資産の順番で書いてあったり、総資産に該当する数字が載ってなかったり、、、ちょっと違和感があります。
他にもinventoryではなくstockとか、purchaseとかいう勘定項目を使って処理するようですし、細かい点がいろいろ違うようです。なるべく早い段階で勉強しておかなければ、、、