一棟ものと、区分所有ではどちらがよいか(3)管理費

一棟ものと、区分所有の比較3回目は管理費です。
今回も比較するにあたり、前提条件は以下の通りとします。

まず前提として、自己資金1000万円くらいで投資をする場合を想定しておきます。
一棟ものであればローンを借りて5000万円程度の物件(木造アパートか、かなり小型のマンションあたりでしょうか)、区分所有であればローンを借りてワンルーム3つ購入、といったイメージでしょうか。

管理費と一言で言っても、大きく分けて2つの意味合いがあるかと思います。1つは賃貸管理、もう一つは建物管理です。
まず賃貸管理ですが、これは入居者さんとのやりとりを誰が行うか、というもので、自主管理ですべて自分でやらない限りは、通常管理会社に月額家賃の3%~7%程度をお支払いすることで管理会社にやって頂くことになります。入居者さんとのやりとりというのは、家賃の滞納が発生した場合の督促であったり、部屋の給湯器が壊れてお湯が出ないといった連絡を受けて現場に行って対応したり、といった内容です。ある意味24時間365日何が発生するかわからないわけですから、自主管理の場合は、大家のところに直接様々なリクエストが来たりしますので、大変なのではないかと思います。ただ、いずれにしても、今回の一棟ものと区分の比較という意味においては、この賃貸管理の部分については差はありません。一棟ものであれば、仮に6部屋だとすると、6部屋の入居者さんとのやりとりを自分でやるか、管理会社にお願いするかで決まってきますし、区分ワンルームを3つ購入した場合は3部屋の入居者さんとのやりとりをどうするか、という話ですので。
ということで、一棟ものと区分所有で大きな差が発生しうる建物管理について説明します。まず一棟ものの場合ですが、この場合、建物管理というのは、物件の清掃(週1回もしくは2回程度ゴミ集積所や、物件の共用部分についての清掃)であったり、貯水槽がある場合には貯水槽の水質点検、そして消防設備点検(設置されている消火器の使用期限が過ぎていないかや、適切な避難路が確保されているか、など)といったものを、これまた建物管理(清掃)会社に委託するのが普通です。一棟、6部屋程度の物件であれば、月に8000円から1万5000円程度でやってもらうことになるかと思います(清掃の頻度などによっても価格は変わります)。ただし、どの清掃会社に依頼するか、相見積もりを取って安い業者を探すことも可能ですので、一棟ものの場合、費用削減努力は可能です。シルバー人材センターに依頼して、かなり割安に行うことも可能だと思われます。
一方、区分所有の場合は、たいてい管理会社がすでに入っていて、管理人さんが常駐するかどうか、清掃をどの程度やるかなど、程度の差はありますが、たいていその物件の管理組合が管理会社と契約しているので、区分所有者はすでに決められている管理費を支払うのみとなります。ワンルームの場合、一棟全体の総戸数によっても違いますが、3000円から8000円程度の場合が多いのではないかと思います。そういう意味で、区分所有者は費用削減努力を実行しづらく、管理費は一棟ものに比べて割高になっている傾向が高いかと思います。もちろん管理組合に積極的に参加し、管理会社の見直しを提案、より割安な管理会社に変更、というプロセスを踏むこともできますが、そこまで実行している人はかなり限定的かと思います。
ということで、管理費については、一般的に一棟ものの方が割安になる可能性が高く、区分所有の方が不利なのではないかと思われます。
以上、少し長くなりましたが、管理費でした。

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