理想のマンションを選べない本当の理由

理想のマンションを選べない本当の理由
坂根 康裕
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プロローグ 買ったマンションになぜか満足できない本当の理由
 「失敗しない」マンション選びをすると失敗する
 極端に走る、間違ったマスコミの演出
 信用できない不動産会社はほんの一握りという現実
 買い手は、本当はどこで失敗しているのか?
 内覧会立ち会い検査は投資に値するのか?
 居住性はハードではなくソフトで考える
 理想と現実のギャップを埋める手順
 「掘り出し物」はある!
 理想を引き寄せる7つのセンス
第1章 いまマンションを所有する本当の意味
 (1) 超一流のエグゼクティブはなぜ賃貸に住むのか
 (2) 「借金してまで所有する」ことの本当の意義
 (3) 損得勘定は、「費用対満足度」で計る
 (4) 「賃貸」は住み替えのハードルが低い
 (6) マンションを所有する意味は「居住性」にある
第2章 いったい、いつが本当の買いどきなのか
 (1) 買いどきを決める上で、最も優先順位が高いこと
 (2) 4つの環境要素から「買いどき」を検証
   借り手にとって「思わぬ」有利な住宅ローン金利
   マクロの地価変動に惑わされない
   大型マンション志向なら好環境が続く
   縮小していく税制優遇
第3章 理想のマンションを手に入れるには、どこを見るか?
 (1) 自分にとって最適な業者の選び方
   悪質業者は本当に多いのか?
   会社選びは、居住性につながる
   会社選びは、車選びと同じ視点
   「したい暮らし」が会社を選ぶ
   参入しやすいマンション分譲ビジネス
   業界内の秩序を変えた、ある「事件」
   建物の質を左右するのは、「会社」ではなく「担当者」
   中小企業の判断材料は「優れた企画力」の有無にある
   住宅性能評価制度の有無は指標にならない
 (2) 営業スタッフの質で、会社や物件の信頼性が左右される
   優れた営業スタッフは 「マイナス情報」を開示する
   営業スタッフの力を引き出すのは、あなた自身の役割
 (3) 「化ける立地」の見極め方・掘り出し物の見つけ方
   全体が下がっても、地価が上昇する地域がある
   進化の止まない「恵比寿ガーデンプレイス」
   「化ける街」が備える条件 その1「外来者の『羨望』を集める魅力ある生活施設」
   「化ける街」が備える条件 その2「富裕層に人気があること」
   「化ける街」が備える条件 その3「トータルな交通網の充実」
 (4) 「掘り出し物エリア」のもうひとつのポイント
 (5) 価格決定権を持つ「エリア・ナンバーワンマンション」を狙え!
 (6) 自らの「ライフスタイル・サイズ」を把握せよ
   自分にフィットした洋服は買えるが、家は買えない理由
   なぜ、オーダーメイドブームが広がっているのか?
   将来の変化を見据えて考えるライフスタイル・サイズ測定法
   収納が思ったより少なかったのは、誰のせいなのか?
   自分のライフスタイル・サイズを知らずに家を買ってはいけない
第4章 新築マンションの現地・モデルルーム見学で一番大切なこと
 (1) 現地見学の最適プランニング法
   モデルルームを見る前に必ず現地に行く
   販売センターは予約してから行く
   営業時間のオープン直後を狙って行く
   できるだけ1日でたくさん見て、感覚を磨く
   話題の大型マンションを模範にする
 (2) 販売センターでのベストな行動
   来訪シートに、きちんと個人情報を書く
   資金繰りを把握することで適切な案内ができる
   認知メディアで来訪者の知識レベルがわかる
   販売センター内の展示物は比較材料の宝庫
   立体展示はマンション内比較、住戸選択のときに有効な材料
   青田売りの利点を生かして、カスタマイズを図る
 (3) モデルルームを見る前に、知っておくべきスタンダード
   既製品と特注品を見分ける
   インテリアコーディネーターが関わるタイミング
   採用された設備仕様が定番化するか否か、審美眼を養う
   「ガンガンに使い倒せる間取り」が結局は割安
   主寝室に必要な「スペース」と「静けさ」
   4畳半の子供部屋は、中途半端なスペースになりやすい
   キッチンのトレンド
 (4) モデルルームから物件の善し悪しを読み解くテクニック
   新築と中古とで大きく違うポイント1 開口部
   新築と中古とで大きく違うポイント2 水回り
   「良い家」発掘の鍵は、モデルルームのインテリアが握る
   プロの設(しつら)えは、シロウトでは思いつかない技とアイデアの宝庫だ
 (5) あなただけの「掘り出し物」の見つけ方
   マンションの値付けプロセスにヒントが隠されている
   下層階にこそ、穴場がある
   「一番人気住戸」は「掘り出し度」が高い
 (6) 商談スペースでの資金計算を最大限活用する方法
   金利設定の仕方に、不動産会社の誠意が垣間見える
   自分のメインバンクという発想を持ち、自ら銀行に足を運ぶ
   自分に合った金融機関を見つける
 (7) 厳選した住まいの仕上げ方
さいごに

http://book.diamond.co.jp/cgi-bin/d3olp114cg?isbn=4-478-68031-0
ナンバー1住宅誌「住宅情報」元編集長によるマンション選びに関する本です。
著者の一番のメッセージはおそらく次の部分だと思われます。

レストランでメニューをオーダーするように、あるいはアパレルショップで服でも買うようにマンションを選んでいませんか。持ち運びできない不動産は、見る目を養う機会が非常に少ない。それは誰しも共通している条件です。だからこそ、他の商材のどれよりも慎重に事を運ぶべきなのです。人生でおそらく最高金額になるであろう住宅。自分にとって「価値のあるなし」をもっとしっかり吟味してほしい。そう願ってやみません。 (P.172)

賃貸と所有の単純な数字上の比較ではなく、賃貸、所有それぞれの持つ意味から始まり、自分のライフスタイルを見つめなおすこと、そしてどこにプライオリティをおくかで、その人にとってのベストな選択、購入時期は変わってくることなどが書かれています。
「設備や仕様のグレード感」と「広さ」という2点においての「居住性」を追求したいのであれば「所有」、ライフスタイルへの柔軟性をとるなら「賃貸」を選ぶべきでしょう、と。
そして、居住性を追及するならば、中途半端にしないで、プロのインテリアコーディネーターに依頼してインテリアもきちんと追求するべきだろうと。
結局は、今後の人生をどのように過ごしていきたいか、そのライフスタイルを具体的にイメージできない限りは賃貸を継続し、そのイメージが固まったところで所有に切り替えれば、それはそれで決して遅くはないのかもしれません。

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