日本は情報鎖国をしているのでしょうか

現在やっているIBプロジェクトでは、クライアントが製薬会社ということもあって製薬業界についていろいろ調べています。製薬業界といえば、日本は世界で第二の市場、人口増加という意味では成長していませんが、高齢化という意味では成長している市場です。
クライアントからもらったあるプレゼンに、米国、欧州、日本の各地域での規制というかガイドラインについての説明があったのですが、そこに次のような文字を発見しました。

no translation yet available

日本の規制に関する記述です。つまり、日本語ではリリースされているにもかかわらず、英語版は正式にリリースされていないようなのです。そもそも、こういう規制(ガイドライン)が日本において何語で発行されるのか、どういうルールがあるのか知らないのですが、日本国内だけでなくグローバルという観点から言えば、明らかに社会コスト(ソーシャルコスト)の増加になっているような気がします。
日本にR&Dの拠点がある日本企業であればともかく、外資系の企業にとっては本国の関係者にこの情報をどうやって伝えるのでしょうか。各社内で、いちいち翻訳して伝えるのでしょうか。これは(地球規模の)社会全体から見たら、コストの増加要因になっている気がします(ひょっとして、日系企業に有利なようにあえて日本語版を出してから、英語版を出すまで時間をおいているとか?)。
他にも、例えば業界団体が、その業界に関する統計だったり、動向に関するレポートなどを発行していますが、これらはかなりの確率で日本語版のみです。レポートどころか、ウェブサイトそのものも日本語版のみのことが多く、英語版があったとしても、取れる情報量にかなりの差があったりします(おかげで、ぼくは現在日本語ネイティブとして大活躍です)。
以前、ある日本の業界団体に問い合わせをしたところ、「昨年までは英語版を作成していたのですが、需要がないので作成をやめました」とのことでした。もちろん、目に見えて大きな需要はないのかもしれませんが、外国人(というか、英語圏の人)が日本に関する調査をしようとした場合、英語での情報が取れないと、その調査を進めるのはかなり難しいです(ある業界に属している日本企業を探すときには、まず業界団体を特定し、その後会員リストから探していくのが一つの方法です。日本企業に関する英語版のデータベースがあれば話は別ですが。ここではもちろん非上場企業の話です)。
インターネットによって、情報がかなりの自由度をもって飛び交うようになった現在において、英語で情報発信をしないということはある意味「情報鎖国」をしているのではないかとさえ思えてしまいます(このブログはそういう意味では、情報鎖国しています。クラスメイトから2回ほど英語でコメントを頂いてはいますが)。
この「情報鎖国」について、ちょっと検索してみたところ同じようなことを書かれている方がいました(ちょっと観点は異なりますが)。
日本は情報鎖国をいつまで続けるのか?

私がここ10年くらい懸念して来たことは、膨大な英語情報を活用できない日本人は鎖国をしているようなものではなか、ということだ。良いソフトウェアも日本語化しなければ日本では売れないため、せっかくの機会を損失している。これを私は情報鎖国と呼んでいる。日本よりは遅れていると思われていたアジア諸国の方が英語のソフトウェアをそのまま導入して、最近は日本より進んでいる分野もあると感じている。

以前から言っていますが、日本人の英語力をもっと上げる必要があると強く思っているのはぼくだけでしょうか。
ちなみに、IBプロジェクトでは2週間弱日本に帰国することになりそうです(MBAプログラム終了間近に、まさか帰国することになるとは、、、)。チームのメンバーで日本語を話せるのがぼくしかいないので、こればかりは仕方ありません。というか、ちょっとうれしかったりするのですが。
日本語は昔から得意ではありませんが、英語と比べればずっとましではあります。

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