イスラム金融入門

イスラム金融入門
吉田 悦章
4492443436
最近イスラム金融がかなり注目を集めていますが、個人的にも興味があったので読んでみました。他の類書は読んでいないのでなんとも言えませんが、イスラム金融の全体像を掴むには非常に良い本だと思います。最後に関連ウェブサイトのリンク集などもついているので、これを手始めに情報を集めるという意味においては役立つ本だと思います。

イスラム金融を最も端的に表すと、「イスラムの教義に適った金融」と定義することができる。 P.16
①金利という概念を用いない
②当該金融取引の関連する事業につき、シャリアに反するものは排除される
豚肉やアルコール、賭博、武器、ポルノといった事業と関係を持つことを禁止するもの P.17
イスラム金融は、「シャリア・ボードによってシャリア適格であるとのお墨付きを与えられた金融取引」と表現することもできる。 P.18

イスラム金融を簡単に説明すると上記のような説明になるようです。

イスラム金融が急成長を遂げている要因
①「オイルマネー」の影響
②イスラム社会固有の事情
1)信仰心を高めている→金融取引において宗教的要素の高まり
2)イスラム圏の高い人口増加率、北米などを含めイスラム教への改宗→ムスリム人口の増加
③イスラム金融が一般の金融に比して経済合理性がある場合も少なくなく、この点が非ムスリムを中心としたイスラム金融利用の拡大に影響
④イスラム金融業における供給面での整備の進展

オイルマネー以外にも、様々な事情によって市場の急成長が今後も見込まれているようです。潜在的な市場規模は4兆ドル程度で、現在はその1~2割程度だそうです。2020年くらいまでに、4兆ドル程度になるのであればかなりの成長率ですね。

シャリアが禁じるのは、資金対資金の異時点間取引の交換レートとして利子を用いることである。利子と呼ぶ部分はないにせよ、イスラム金融には、金融取引全体でみれば利子に相当するような部分があることが多い。 P.49
資金対資金の取引における上乗せ部分はリバー(利子)とみなされシャリア不適格となるが、商品取引や事業活動など実体を伴う取引を内包させることにより、リバーを伴わない、シャリア適格な金融取引が可能となる。 P.50

金利を禁止するとは言うものの、表面的には禁止しているように見えても、実質的には別の形で同様の効果をもたらす取引になっているようです。

取引の基本概念
①ムラバハ
ムラバハは、商品等の取引において、商品の買い手と売り手の間に銀行が介在して、売買を代行しつつ金融機能を果たすスキームである。 P.52
②ムダラバ
ムダラバは、出資者の資金をまとめ、事業家(運用者)が資金を投資・運用することで利潤を上げ、それを配当として出資者に還流するスキームである。 P.56
③ムシャラカ
ムシャラカは、共同出資のスキームである。一般金融における例を挙げれば、ベンチャーファンドによる出資に近いとみることもできるだろう。 P.58
④イスティナ
工業製品調達や建設プロジェクトなどにおいて、製品や建設案件に関する詳細指図を踏まえつつ、銀行の顧客である発注者に代わって銀行が業者に先払いする金融取引である。 P.61
⑤イジャラ
イジャラは、一般の金融でいうリースとほぼ同じ取引である。 P.63

いろいろありますね。こういう単語って、英単語以上に覚えにくい気がします、、、

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