道をひらく

道をひらく
松下 幸之助
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経営の神様、松下幸之助さんが「PHP」という機関誌の裏表紙に連載されていた短文をまとめた本です。

人生は真剣勝負である。だからどんな小さな事にでも、生命をかけて真剣にやらなければならない。もちろん窮屈になる必要はすこしもない。しかし、長い人生ときには失敗することもあるなどと呑気にかまえていられない。これは失敗したときの慰めのことばで、はじめからこんな気がまえでいいわけがない。真剣になるかならないか、その度合によってその人の人生はきまる。 P.23
だが、七度転んでも八度目に起きればよい、などと呑気に考えるならば、これはいささか愚である。
一度転んで気がつかなければ、七度転んでも同じこと。一度で気のつく人間になりたい。 P.122
仕事が成功するかしないかは第二のこと。要は仕事に没入することである。一心不乱になることである。そして後生大事にこの仕事に打ち込むことである。 P.205

とにかく目の前にことに全力で取り組むことが大切なんですね。それから、真剣勝負。「呑気に」考えている場合ではないと。

雨の日に傘がないのは、天気のときに油断して、その用意をしなかったからだ。雨にぬれて、はじめて傘の必要を知る。そして次の雨にはぬれないように考える。雨があがれば、何をおいても傘の用意をしようと決意する。 これもやはり、人生の一つの教えである。 P.42

ぼくが現在置かれた状況と言うのは、晴れの日なのかもしれません。この今をどれだけ充実させられるかで、卒業後の仕事人生に大きな影響を与えるのだと思います。がんばらないと。

人情として、ときにこんな迷いを持つのもムリはないけれど、この世の中に、決してボロイことはないのである。ラクなことはないのである。あるように見えるのは、それはこちらの心の迷いで、本当は、どなたさまも、やはり一歩一歩地道につみ重ねてきた着実な成果をあらわしておられるのである。 P.137

ラクして儲けようなんて考えているとロクなことはないかもしれません。何事も着実に一歩一歩積み上げていきたいと思います。

だから、自分の仕事は、自分がやっている自分の仕事だと思うのはとんでもないことで、ほんとうは世の中にやらせてもらっている世の中の仕事なのである。ここに仕事の意義がある。 P.144

焼芋屋のような簡単な商売でも、一日の商いが終われば、いくらの売上げがあったのか、やっぱりキチンと計算し、売れれば売れたでその成果を、売れなければなぜ売れないかを、いろいろと検討してみる。そして、仕入れを吟味し、焼き方をくふうし、サービスの欠陥を反省して、あすへの新しい意欲を盛り上げる。これが焼芋屋繁昌の秘訣というものであろう。 P.176

感覚でやるのではなく、データを集めて、分析して、実践してみて再度検討する、と言った、どちらかと言えば科学的なマネジメントのことをおっしゃっているような気がします。

人間は、ものの見方一つで、どんなことにも堪えることができる。どんなつらいことでも辛抱できる。のみならず、いやなことでも明るくすることができるし、つらいことでも楽しいものにすることができる。みな心持ち一つ、ものの見方一つである。同じ人間でも、鬼ともなれば仏ともなるのも、この心持ち一つにあると思う。 P.226

非常に難しいことではあると思うのですが、心の持ち方って、本当に大切なんだと思います。

日本はよい国である。こんなよい国は、世界にもあまりない。だから、このよい国をさらによくして、みんなが仲よく、身も心もゆたかに暮らしたい。 P.271

ほんと日本はよい国だと思います。イギリスに住んでみて、改めて日本に対する理解が深まった気がします。

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