中国古典からもらった「不思議な力」

中国古典からもらった「不思議な力」
北尾 吉孝
4837921558
「何のために働くのか」に引き続き、北尾さんの本を読んでみました。
北尾さんのように、小さな頃から中国古典に慣れ親しんでいた方もいらっしゃるのでしょうが、ぼくの場合、学校で「論語」とかを習った時でさえ、よくわからないなぁ、という印象で、その後は特に読みかえすこともなく現在まできていました。
しかし、二千年以上前に書かれたものが、未だに読まれ続けるにはやはりそれ相応の理由があるわけで、「論語」そのものではなく、こういった現代の人によって書かれた解説本的なものを通して読むことによって、非常に理解しやすく、また「人生をいかに生きていくべきか」、「仕事にいかに取り組むか」といったテーマに合わせて引用されているため、非常にとっつきやすくなっていると感じました。
これからも「論語」をはじめ、中国古典を勉強しなくては!と思いました。

私自身の倫理的価値観とは、論語から学んだ「信」「義」「仁」という三文字です。」
約束を決して破らないと言うのが「信」。
(中略)
「義」とは正しいことを行うこと。
(中略)
「仁」とは、相手の立場になって物事を考えること。 P.22

孔子にしても孟子にしても、「世俗的な成功を得たらいけない」とはまったく言っていません。得るのであれば正しいやり方で得なさいと言っているのです。 P.30

きちんとした付加価値を、まっとうな方法で提供することによって成功しなさい、ということでしょうか。そういう意味では、「赤福」は残念でした。けっこう好きだったのですが。

宋代の朱新仲と言う人が、「人生に五計あり」と言っています。 P.59
「生計」―どうやって健康を獲得するか
「身計」―どうやって世の中を渡っていくか
「家計」―どんな家庭を築くか
「老計」―どのように年をとるか
「死計」―どんな死を迎えるか

中国国民党の蒋介石総統が非常に尊敬していた、曽国藩という政治家が、
「人生、冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に堪え、もって大事為すべし」ということを言っています。
どういうことかというと、
冷―冷遇に耐える。
苦―苦労に耐える。
煩―いろいろ煩雑なことに耐える。
閑―逆境に堪える。
そういうことが大事だ、というのです。 P.76

阪急グループの創始者の小林一三さんが、
「百歩先を見る者は狂人扱いを受け、現状のみを見る者は落伍する。十歩先を見る者のみ成功する」
と言っています。
(中略)
百歩先を見て、これも必要、あれも必要と手を伸ばすのでは、早すぎて成功しない。タイミングが非常に大事なのです。 P.96

同じアウトプットであっても、評価されるタイミングというものがあるわけですね。

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